青エク
□I生まれ変わりシリーズ 完結編
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※これは生まれ変わりシリーズの完結編です!
是非とも本編をお読みになってからご覧くださいませ★
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彼女はたまに妻が使っていたベットに座って…窓から空を眺めている。
「…探しましたよ?」
案の定今日も彼女はそこにいた。
出会った頃より随分伸びた髪を風に漂わせながらただいつものように空を眺めていた。
「本当にそこがお気に入りなんですね?」
「ここからが一番空が綺麗に見えるんだよ?」
それはそのはずです。
病に倒れ外に出ることができなかった妻の為に用意した部屋なんですから…
「私ここから見える景色が一番好きなの」
ゆっくり彼女はこちらに振り向き笑ってそう言った。
「…そうですか…」
私も微笑みながら彼女の暖かい頬をそっと撫でた。
「…きっと…奥様は幸せだったね…最後にこんな景色がずっと見れて」
最近彼女はよく亡くなった妻の話を自分からするようになっていた。
「だといいんですが…苦労ばかりかけてたかもしれません」
彼女が本当に幸せで悔いなくこの世を去ったかなど私にはわからない。
「私にはわかる気がするな…」
彼女はベットから立ち上がり私に抱き着いていた
「幸せだったと思うよ?きっとメフィストに…ありがとうって伝えたいんじゃないかな?」
「貴女はすごいですね?何でもお見通しです」
ぎゅっと彼女を抱き締めながら私はそういった。
私の腕の中でまるで小悪魔のような笑顔を浮かべた彼女は
「女の勘です」
と笑って言った。
彼女は嘘をつき続けると決めたらしいです。
「そろそろ戻りますか?」
そっと体を離すと彼女の手を握りしめてそう言った。
「うん。お茶でも飲もうか?」
ゆっくりと部屋を二人後にした。
繋がれた手は小さく…今にも折れてしまいそうだった。
こんなに小さく細い腕で彼女は自分の進むべき運命を切り開いていると思うと嬉しくもあり…切なくもあった。
彼女が嘘をつき通すなら私は気がついていないふりをする事にした。