青エク
□A六月の迷路
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学園に入ってからもう二ヶ月がたっていた。
寮の生活にも慣れて
一人の夜にも慣れてきた
それでも…
「貴女は俗に言うストーカーさんですか??」
メフィストのこの表情にはまだ馴れない
いくら私に興味がないからといってなんて無機質な笑顔を朝から振りまくんだろうか…
朝たまに教室に向かう途中で会うこの挨拶の時間だけしか今の私とメフィストの共通する時間はない。
「ただ挨拶をしようと思っただけです…」
おはようございます
たった9文字の言葉にすがる私の気持ちをメフィストは知らないから
私が勇気を出して話しかけてる事なんてまるで無視。
その度に私の胸は締め付けられて…苦しくなる。
それでも私には貴方の瞳にうつるにはこの方法しか思い付かなかった。
「変な人ですね貴女は…では失礼しますので♪」
スッと私の横を通り抜けていくメフィスト
あんなに近くにいたのに…
あんなに愛し合ったのに…
メフィストは決して私を見ようとはしてくれない。
二ヶ月もたって…
桜は散り
アジサイが咲き始めている
季節はめぐるのに
私はまだ何も出来ないでいた。
空を見上げているとゆっくり雨が降ってきた。
まるで私の心みたいで…
悲しくなった
雨は大嫌いだった。