青エク

□続 眠る意味
1ページ/1ページ

※これは「朝」メフィストverヒロイン目線です。




↓↓↓↓↓↓








「…ん」



暖かい日差しの中で私はゆっくりと目を覚ました。



身を起こそうとしたけど…



「いた…っ」



ぐっと髪の毛を引っ張られて体が動かなかった。



「ちょっと…



隣に寝ているメフィストは私のそばにぴったりと眠っていて私の髪を頬で踏んづけている。



「…もう」



水が飲みたいけどメフィストはそれはそれは幸せそうに眠ってるから無理にぬけ出すのはやめた。



本当になんて幸せな顔で眠っているんだろうか



なんか口はだらしなく空いてるし…寝癖はなんかヘンテコだし…



でも…なんか癖になっちゃった。



昔は悪魔のメフィストは眠ることをしなかった。



メフィストがいつも眠ることなく…私に合わせて眠たふりをしている事を私は知っていた。



メフィストは何を思って…


永い夜を過ごしていたんだろうか…



伸ばされたメフィストの手をぎゅっと握った。



いつからだろうか…
メフィストが私と同じように眠るようになったのは…


気が付いた時にはメフィストは眠ることを覚えていた。



カーテンから降り注ぐ光に照らされながら眠るメフィスト…



悪魔だなんて信じられないんです。



メフィストに暗闇が似合うなんて思えない。



だってメフィストには光が似合う。



「ねぇ…起きて?」



そして…その瞳に私をうつしてほしいよ?



人間の惰眠に付き合って…今までの生き方を変えてくれた優しい貴方がここにいる事が夢でないと…



「信じさせてほしいよ…」


私はメフィストの頬をゆっくりと撫でた。



「…ん…?どうか…しましたか?」



ゆっくりと開くメフィストの瞳には…



暗闇も…



迷いもない…



私しかうつってなかった。



きっとこれは世界一幸せな朝だろうと私は実感して



「ありがとう…」



とただ一言呟いた。



メフィストは不思議そうな顔をしたけど



「…どういたしまして」



と微笑みながら頬でふんでいた私の髪にキスをした。






20111016

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ