スター☆ガール
□第2話
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こんにちは。
花も恥じらう乙女、桐島双葉です。
「何が花も恥じらう乙女だ。そういうのは今のてめーの姿見てから言え」
コイツはマヨネーズをこよなく愛している不摂生な奴で、全身がマヨネーズの塊で出来ています。
「誰がマヨネーズの塊だ」
「いだっ!」
私の友達です。
「土方さん、こいつァもう駄目です。女を捨ててやがる」
コイツはサディスティック星の王子で、いつも私に嫌がらせをしてきやがります。毎日のストレスの原因はこの人と言っても過言ではありません。
「双葉ー、昨日新しい縛り方を修得したからちょいと実験台になってくれねーか」
「すみません嫌です許して下さい」
何故か私の友達です。
「お前っていつ見ても傷だらけだな。」
「きっと自分を痛めつけるのが好きなんでさァ」
「真性のドMだな」
「ド、ドMゥウ!?」
「そんなにいたぶって欲しいなら俺が相手してやらァ」
「違いますからマジ勘弁して下さいお願いします!!!!!」
まぁ、そんなこんなで私の周りには(不)愉快な人達がたくさんいます。
「つーかお前さ、もう喧嘩はやめるとか言ってなかったか?その額の傷、またやり合ったのかよ」
「あーえっとこれはね…、この間相手したヤンキー君達になんか目つけられちゃったみたいでさ、さっき校舎裏に呼び出されてそれで…」
「…ハァ、何やってんだよオメェは」
トシは呆れ顔で溜め息をついた。
「あ、確かに喧嘩は売られたけどやり合ってはないよ?ただ金巻き上げられそうになったからそのヤンキー君達から全力で逃げる途中、階段ですっ転んで見事に頭から落っこちてこのザマさ」
「……お前ってホント可哀相な奴だよな。呆れてものも言えねーよ」
「これでも頑張って喧嘩は回避しようと私なりにあれこれ考えた結果なんだよ。喧嘩しなかっただけ良しとしてよね」
「今回はそれで済んだから良かったかもしれねーが、そいつらしつこさで有名な奴らだぜ?きっとまたお前んとこ来るんじゃねーのかィ?」
そう言った総悟は何だか不敵な笑みを浮かべている。
コイツ、人事だと思って楽しんでやがるな。
「そしたらまた逃げる。何度でも逃げ切ってやるわ。私の足の速さ舐めんなよ。アンタら私の50メートル走のタイム知ってるのか?ん?」
「別に興味ねェ。」
「7.2秒だぞ!」
「だから興味ねーつっただろうが。つかそのドヤ顔うぜぇ。殴っていいか」
「フン、殴れるもんなら殴ってみな!お前は私に触れることすらできないだろうけどね!!おーにさんこーちら、手の鳴る方へ〜、お尻ぺーんぺん!」
「…上等じゃねぇか。今すぐテメーを八つ裂きにしてやるァァァアアア!!!!!」
お尻を向け幼稚な挑発をかました途端、ブチッと何かが切れる音と共に私に飛びかかってくるトシ。
私は勢い良く保健室を飛び出し廊下を一気に走り抜く。
私の本領発揮の時だぜ!!
般若を思わせる形相の土方オニヤローから見事逃げ切ってみせましょうぞ!!
リアル鬼ごっこの始まりじゃぁぁぁい!!
「ウギャァァアァアアアアアア!!!!」
暫くして、静まり返った校内に双葉の叫び声が響き渡ることになった。
「……ホントに哀れな女だ。同情するぜィ」