ひまわり
□♯3 変わらぬ想い
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〜新八side〜
「銀さん、またお出かけですか?」
「…あぁ。ちょっくら行ってくるわ。新八、神楽。留守番頼んだぞ」
ガラガラ…
ピシャン
銀さんを見送った僕と神楽ちゃんは、そのきっちり閉じられた玄関の扉を見つめ、何となくモヤモヤしたこの気持ちを隠せずにいた。
「……最近、多いアルな。」
「いつもどこに行ってるんだろうね…。もしかして彼女でもできたのかな」
「! 銀ちゃん、彼女できたアルか!?」
「銀さんだってもういい年した大人なんだし、いたっておかしくないよ。まァそれはないと思うけどね」
「お前、さらっとひどい事言うアルな。それ聞いたら銀ちゃん絶対泣くアルヨ。…あ、そういえばこの前銀ちゃんがお花買ってたの見たネ」
「え?花?銀さんが花なんて珍しい。まさか、彼女へのプレゼントか何かかな…」
「綺麗にラッピングされてたヨ」
「…マジでか。」
ここ最近、銀さんの様子がおかしい。
ほぼ毎日、行き先も言わずに僕らを残してどこかへ出かけてしまう。仕事の時も、なんとなく上の空…。
どうせ、厭らしい店やパチンコか何かだろうと思って特に気にしていなかったのだが、どうやら違うみたいなのだ。
まさか本当に、ガールフレンドでも出来たと言うのか。
僕らの好奇心は頂点に達していた。
そして、尾行を決意したのだった。
僕と神楽ちゃんは今、電柱の陰に隠れて銀さんの様子を窺っている。
なんかドキドキしてきた…
何だろう、この感じ…。
「いい?神楽ちゃん。絶対に銀さんに気づかれないように跡を追うんだよ」
「オゥ。しっかり私に続けよぱっつぁん!!」
「あっ!!ちょっ、神楽ちゃん!?待ってよっ!!」
こうして、僕らの追撃が始まった。