ひまわり
□♯8 空腹と依頼
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「あら、」
不意に背後から鈴を鳴らしたような声が聞こえた。
神楽ちゃんも声に気づき、振り向いた途端顔を輝かせた。
「姉御ォ!」
「こんにちは、神楽ちゃん」
言いつつニッコリと微笑むポニーテールのスレンダー美人。手には買い物袋がぶら下がっている。
てか誰この美女。
「あら?神楽ちゃんのお友達?」
スレンダー美人が神楽ちゃんの隣にいる私を見て不思議そうに訊ねてきた。
最近このパターンで知り合うの多い気がする。
でも自分の友達の友達と友達になれるってどんどん友達の輪が広がる様でちょっと嬉しいんだよね。
私今、友達って何回言った?
「そうアル!日和いうネ。今、万事屋で一緒に住んでるアル。あと銀ちゃんと一緒に寝てるアル」
「まぁ、そうなの」
神楽ちゃんの最後の余計な一言にスレンダー美人は手を口元にあて目を瞬かせた。
ってあのちょっと、何で頬染めてるんですか。
「いや確かに一緒に寝てますけど、そういうアレではなく、ただ他に空き部屋がなかったので仕方なく同じ部屋で寝させてもらってるだけですから。別に銀さんとは何の関係も持っていません。私はただの同居人です」
「あら、照れることないわよ。私も銀さんとは長いつき合いだけれど、あの人ももういい年じゃない?少し心配だったのよね…結婚のこととか」
「……え?結婚?」
「でもこんなに若くて可愛らしい奥さんがいたなんて、銀さんも一言言ってくれたらいいのに。まったく水臭い人ねぇ」
「あの、すみません。何か勘違いしてませんか?話が理解不能何ですけど」
明らかにおかしな方向に話が進んでしまったので、事情を詳しく説明して何とか理解してもらう事に成功しました。
良かった。私が銀さんのお嫁さんなんて考えただけで鳥肌立っちまうもの。
不愉快この上ないよ全く。
「申し遅れました、私、夏川日和といいます」
「私は志村妙。万事屋で働いてるって事は、新ちゃんを知ってるわよね?」
ん?新ちゃん?
ていうか志村ってどこかで……
はっ、まさか…!!
「えーっと、もしかして……」
「新八の姉です。」
「やっぱりィイ!!」
この天使のように微笑む御方は新八君のお姉さまでしたか!
話では聞いてたけど、会うのは初めてだ。
まさかこの美人が新八君のお姉さんとはね!信じられないようなそうでないような複雑な気持ち…。いや信じられんわ。
「よろしくね日和ちゃん。新ちゃんからあなたのこと色々聞いてるわ」
「まじですか。何か恥ずかしいな…。てかあの野郎、変なこと言ってないだろうな」
「ふふ、よく笑ってよく働く女の子だって聞いたわ」
うわ、何言ってんだよアイツ。
何か照れるじゃないか。
くそっ、新八のくせに生意気な。
「でも、すごく口が悪くて我が儘で自由奔放な女の子とも言ってたわ」
「……」
よし、
アイツ後でボコボコの刑だ。