dream〜other〜
□accident in・・・?(未完)
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シリウス号の食堂のテーブルに突っ伏して項垂れる船員、――オレ・・・ハヤテ。
そんなオレの背後でやいのやいのと声がする。
「こら!ハヤテ、つまみ食いすんじゃねぇ!卸されてぇのか?」
「おい、馬鹿ハヤテ!汚ねぇ足で歩きまわるんじゃねぇ!!」
「あ、えっと、ハ、ハヤ、ハヤ、テ・・・?そこの床、今拭いたばっかなんだけど・・・っ。」
その一言一言に、オレのでこにはピキピキと血管が浮き出てきた。
そして、
「だーーーっ、もう!!みんなして『ハヤテ』『ハヤテ』ってうっせぇよっ。」
寄ってたかって責めたてられて、いい加減オレの堪忍袋の緒が切れた。
突っ伏してたテーブルからガバリと起き上がり、椅子代わりの樽を蹴っ飛ばす勢いで立ち上がるとその面子をぎろりと睨む。
「ナギ兄ィッ、俺食ってねぇよ!!シンてめっ!馬鹿っていうな、馬鹿って!!それからトワ!俺に向かって呼び捨てタメ口とはいい度胸じゃねぇかっ!!」
ビシィッ、ビシィッ!とそいつらを指さして噛みついてやると、
「ひいぃぃぃっ!!『人間』のハヤテさんに言ったんじゃないですぅ〜〜!!」
とトワが半泣きで言い訳をする。
わーかっとるわっ、そんなこと!!
「そうだ、誰も『お前』に言ってねぇ。」
オレがふつふつと煮えくり返る腹の中で喚いてると今度はナギ兄ィが入ってきて、シンがフンと鼻でせせら嗤った。
そうなんだよな、正確には『オレ』にじゃねぇんだよ。
けど、なんか腑に落ちねぇこのモヤモヤ感!!
なぜなら・・・。
「俺達が言ってるのは、」
「「『犬』のハヤテに、だ。」」
「です!」
・・・と。
ナギ兄ィとシンが発したセリフにトワが語尾だけ乗っかった。
そう。
みんなに責められてんのは『人間』のオレじゃなくて、・・・『犬』のハヤテ、なんだよなぁ。
うん、腑に落ちねぇのはソコ。
・・・だから。
なんで犬にオレの名前つけるワケ!?
「フン、馬鹿なところがお前そっくりだからな。」
シンはオレの心の声を読み取ったかのように意地悪い笑みを浮かべる。
オレと、不本意ながら『ハヤテ』と名付けられた犬を交互に見て言うシンの野郎に、おもしろいワケがなくてブスッと不貞腐れる。
それから恨みをこめて部屋の端っこの方にいる○○を見て睨んでやると、あいつはそれに気づき引きつった笑い顔を見せたやがった。
傍でそんなやり取りが行われているのを知ってか知らずか、無害な顔をした『犬のハヤテ』が嬉しそうに「わふっ。」と吠えた。