ご主人様とメイド
□篭城
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「いやぁぁぁぁああああああ!!」
男とは違う、女の甲高い声。
煩いとは思いながらもそれが咲希の声だって分かったから目を覚まさないわけにはいかなかった。
「ん・・・・咲希?」
「ひっ!」
俺が目を開けると、咲希はボロボロと涙を流し怯えたように泣いていた。
まったく予想もしていなかった行動にしばし呆然とする。
その間に咲希は、号泣しながら部屋を出て行ってしまった。
「・・・・・え?」
「ヒック・・・ヒック・・・うぅっ・・ぁ・・」
「咲希ー」
「うぅっ・・・うわぁぁぁん・・・」
慌てて後を追えば、咲希は空き部屋にこもってしまい出てこない。
中からは泣き声しか聞こえなかった。
鍵はかかっているが、その気になれば簡単に壊せる・・・・けれど、入ってしまい咲希がさらに泣いてしまえばどうしようもない。
俺は困り果てて溜息をついた。
「何?どっか痛いの?」
「ヒック・・・ヒック・・・」
「・・・・咲希」
「違いますっ!!放っておいてください!!」
「・・・・・」
ヒステリックな怒鳴り声。咲希のそんな声は初めて聞いた。
いっそのこと、お仕置きでもしてやろうかと思ったけど・・・・あそこまで泣かれてしかもヒスまで起こされると
それでも強姦するのも正直楽しそうって思っちゃったけど。
「分かった」
ぐっと堪え、何もいわずに我慢した。ここは放っておいたほうが言いと超直感がいっているからだ。
まぁ・・・夕飯の時間になればさすがに出てくるだろうと思って
思ってたが・・・・
「・・・咲希は?」
「まだ来てないぜ?」
食堂に集まっていなかった。夕食なしでまだ泣いているのか・・・さすがに心配にはなってくる。
けど、俺が呼びに行ったところでヒステリックに怒鳴られるだけだろうし。
俺の態度で何か悟ったのか、リボーンが呆れたように聞いてきた。
「たくっ。今度は何したんだ」
「別に、普通にやったんだけどなぁ・・・」
「んじゃ、ついに精神的にきたか?」
「んー、そこまで精神力弱そうに見えないけど」
「お前ら揃いも揃って酷いこといってんな」
咲希をなんだと思ってるんだか。とでもいいたそうな顔だ。
女を玩具としか見ていないのはリボーンも同じのくせに。
俺は咲希を道具だなんて思ってないけど。
「ここは同じ女性であるクロームに任せるべき?」
「ぇ・・・」
「けど、咲希とクロームは一回も話したことありませんよ。10代目」
「そーだね・・。ってことでリボーンよろしくっ!」
「何で俺が・・・」
「だって咲希が一番懐いてるのってリボーンじゃん。ただし、手ぇ出したら殺すよ?」
「出すか馬鹿ツナ。おめーがやったことだろ。自分のやったことには責任をもつものだぞ」
「珍しくまともなこといいやがって。俺が行ってヒステリック起こしたらどーすんだよ」
「そんなの、そこまで追い詰めたオメーがわりぃんだ。どーにかしろ」
俺がリボーンも睨めばリボーンも睨み返してきて・・・互いに睨み合い、一歩も譲らない。
そんな俺達を、やれやれと諦め・・・周りは夕食を食べだしていた。