ご主人様とメイド
□優しさ
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「ふぁ・・・」
おでこがひやりとする・・・
気持ちいい・・・
「ん・・・」
体が熱い・・
もう少し眠っていたかったけど声が聞こえて、仕方なく重たいまぶたを開けた。
「お、起きたか」
「ぇ―――――!!」
「咲希?」
何か言おうとすると、口がパクパクするだけだ。声が出ない・・・・
綱吉様は首をかしげ、シャマル先生は顔をしかめた。
「おい、なんかノートと書くもん持ってこい」
「これでいい?」
「あぁ」
シャマル先生に言われて、綱吉様はちょうど自分が持っていたメモ帳とボールペンを渡した。
それを受け取り、ぺこりと頭を下げる。
「にしても、久しぶりだなぁー!!可愛くなっちゃってー」
「シ・・ル・・生・・」
「おっと、悪い悪い。無理して喋るなよ?」
[誰のせいだと思ってるんですか!!]
「そう怒るなって。最後に会ったのは・・・10歳ぐらいだったか?」
「知り合いなの?」
「あぁ。昔こいつのファミリーに雇われててな。体が弱かったから」
「体が?」
綱吉様が首をかしげるのでコクンと頷いた。
「外に出れば風邪を引く、中で勉強してても頭痛・腹痛・嘔吐・眩暈。そりゃぁ、酷かったぜ?」
[シャマル先生!!]
「しかも、風邪引くたんびにのどやられて。2〜3日話せねぇな」
「そうだったんだ」
「ま、熱も下がったようだし。心配いらねぇだろ。・・・・薬は」
[嫌です!!!飲みたくないです!!]
必死な顔でシャマルに訴えた。
子供か・・と綱吉様は内心思っているようだけど口には出さない。
シャマル先生は答えが分かっていたのか、やれやれと肩をすくめる。
「ま、だいぶ体も強くなったんだ。平気だろ。ただし、調子悪くなったらすぐいえよ?」
[はーい]
シャマル先生は最後に念を押してから部屋を出ていった。そんなに信用ないかな?
シャマル先生がいなくなると、たちまち部屋の空気はしーんっとしてしまう。
ちらちら綱吉を見、何かいうべきか(書くべきか)考えてみるが何も思い浮かばない。
「・・・調子・・平気?」
[はい。]
「ならいいけど・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
綱吉様は居心地悪そうに視線をはずした。
なんだか綱吉様が・・いつもと違うような・・・
一応・・心配してくれているのかな・・?
「・・・じゃぁ、ゆっくり休んでいいよ」
コクリと頷くと、綱吉様は出ていった。
まだ少しからだのだるさを感じる・・・
私は綱吉様の言葉に甘え、ゆっくりと目を瞑った。