僕らの玩具
□始まり
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「恭弥君ずるいよ!!咲希ちゃんをメイドにしちゃうなんてー!!」
鼻声で怒鳴る声で目が覚めた。時計を見れば午前10時で・・・何時まで寝ちゃってるんだろう。
「綱吉が煩くしたから咲希が起きただろ」
「あ・・・咲希ちゃんごめんね!!」
「ふわぁ。別にいいよ。私が寝すぎたから・・・」
「昨日かなり無理させたからゆっくりさせてあげようと思ってたのに・・・」
不機嫌そうに呟かれたセリフにカァァと顔が熱くなる。昨日、あんなに乱れていた服が今は綺麗に整えられていた。
結局流され流されすることしてしまったし。そんなに嫌じゃなかったっていうのが問題だと思う。
「え、無理させたって・・・またセックスやったのー!?!?」
「つ、ツナ君!!声が大きいっ」
「ずるいずるい!!ツナも咲希ちゃんとしたいのに!」
「知らないよ。咲希は僕のだもん」
「それもずるい!僕だって咲希ちゃんと一緒にいたいのに恭弥君ばっかり!」
むぅとほっぺを膨らませながら涙目で恭弥君を睨みつけるツナ君はすっごく可愛い。
思わずクスクス笑ってしまったのがいけなかったのか、今度は私も睨みつけてきた。全然怖くないけど。
そしたら吊り上げられていた眉がだんだんと下がっていって・・・泣きそうな顔に・・・!
「あー、ツナ君。泣かないで?別にあえなくなるわけじゃないし、ね?」
「恭弥君ばっかり咲希ちゃんと一緒に住むなんてずるい゛〜!!」
「綱吉の家にはそんな部屋の余裕もお金の余裕もないでしょ」
「うぅっ・・・」
「大体、もうすぐ中学生になるのにそんな泣き虫で恥ずかしくないわけ?一人称も僕とかツナだし」
「恭弥君だって僕じゃん」
「僕はいいんだよ」
「いいじゃん。可愛いのに」
自分のことを僕って言ったりツナとかいったりするツナ君はすっごく可愛いと思う。
恭弥君に可愛げというものがないだけに。
するとツナ君はショックを受けたように固まって・・・え、なんで?
「うん・・・今日から俺にする」
「あ、あと咲希。いい加減僕のこと恭弥君って呼ぶの止めてくれる?」
「え、何で?」
「子供扱いされてるみたいでやだ」
「え、じゃぁぼく・・・俺のこともツナって呼んで!」
「え、えぇ〜。恭弥君とツナ君じゃダメなの?」
「「ダメ」」
こんなときばっかり声を揃えて反対するんだから!
私は苦笑しながら わかった と返した。
子供扱いって・・・君付けの何が悪いのよ!まったくもう。
「君付けされてると子供扱いでしょ。年下扱い」
「恭弥く・・・恭弥は私より年下でしょ」
「好きな子に子供扱いされたくない」
真剣な目でそう言った恭弥にドキリと胸が高鳴った。
正直、私は恭弥のことを恋愛対象としてみてるのかよく分からない。
セックスも気持ちいいし、嫌いじゃないってことは分かる。でもそれはツナく・・・ツナに対するのも同じで・・・
「俺も咲希ちゃんのこと好きだよ」
「真似しないでよ」
「だって言わないと恭弥君に取られちゃいそうなんだもん!!」
「どうせ最終的には僕のものになるんだよ」
「違うもん!ツっ・・・俺が咲希ちゃんと結婚するの!」
「え、そこまで話し進んじゃうの?ねぇ、落ち着こうよ。私と貴方たちどんだけ年離れてると思ってるの?」
「「たかだか3歳」」
「たかだかなの!?」
私の素朴な疑問は無視され、睨み合う2人・・・
私の意見は無視ですか。あぁ、はい。そうですか。
「咲希ちゃんは僕と恭弥君どっちが好きなの?」
「え。同じくらい好きだよ」
「なにその悪女のセリフ。いたいけな少年2人を手駒に取って弄んでるんだ」
「いやいや、私何もしてないよ!?先にやったのは恭弥君でしょ!?」
「恭弥って呼べって言ったのに・・・もういいよ、お仕置きね」
「お仕置きってなに・・・こらこら!何人に跨ってるの!!」
「そうだよ!咲希ちゃんから離れてよ!今日はツナがやるの!」
「それも違うよー!?」
その後結局2人は、2人で私を共有することにしたらしい。私はものじゃない!!なんて反論は却下された。
でも、ある意味これでよかった。私は2人が同じくらい好きだし・・・どっちかなんて選べない。
・・・マジで悪女っていうか超モテモテの女の子のセリフじゃないですか。
そこら辺にいる普通の女子高生だった私なのに。何が御気に召したんだか。
それから2人は予定通り並中に入学して・・・私もまた並中で一日の大半を過ごすことになった。