短編
□赤い涙
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※基本、赤也の語りのみ
※全国大会終了後
※BR後
『赤也』
みんな泣いている。涙は流していないけど、なんとなくわかる。
『立海を、頼んだよ』
幸村部長の背中が、震えていた。
全国大会が終わっても先輩達はみんなテニス部に来ていた。それが今は俺1人だけ。
「このコート、俺1人には広過ぎッスよ」
先輩、今日も来てくれないんスか?もう1ヶ月も待ってますよ。
「急に引退?そんなの聞いてないッス」
毎日毎日、広いテニスコートを眺めては思い出す。辛くても楽しかった練習の日々を。そして、同時にその日々を一緒に過ごした仲間を失った事に、気付かされる。
「またテニスしましょうよ。先輩‥」
部長ともう一度、試合したいな。他にも柳先輩に真田副部長。それに仁王先輩や丸井先輩、ジャッカル先輩に柳生先輩。みんなとテニスがしたい。そして立海のNo.1になるんだ。
そう思っていたのに。
「どうして‥俺達が‥」