本編

□1章─The first be late─
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「…裏の森か…?」
肩で息をしつつ、後ろを振り替える。広い広い敷地の奥に、大きな校舎が小さく見えた。


「……せっかく今までバレねぇで来たってのに…」
はぁ、と整った呼吸はため息をついた。

改めて自分の姿を顧みる。


──どう見ても大きいとは言えない女の子並な身長。

──スカートをはいたら絶対にバレない女顔。(=童顔)

──ティッシュ詰め放題な盛り上がった胸。

──すらりとした細すぎず太すぎない、曲線美の素足。

──そして何より、この短いチェックスカートにブレザー、赤いタイ。







この姿で男と見破ったのは、胡蝶だけだ。

そう、何を隠そう俺は男。
好きで女子高生してんじゃない。好きでスカートはいてるわけじゃあ無い!

両親を事故で失い、大阪の叔父の家に住んでたけど、その叔父も借金を多額に踏み倒し蒸発。その為に、母方の爺ちゃんの所に転がりこむ事になったんだけど…、
爺ちゃんとは本当に何年も会ってなくて、昔ふざけた母さんが俺にスカート着せていたから勘違いしていたらしく……




────
──

二年前…

「だからってなんでよりによって女子校なわけよ」

「まぁ女の子は女の子らしくじゃろう」


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