本編

□1章─The first be late─
2ページ/16ページ


後ろ側の席につくべく、後ろへ歩いて行く。


───と。
「アンタこの髪綺麗よね」
「…いっ!?」
グイと髪を捕まれる。

ずるっ…

するりと頭に風が通る。非常にまずい。
…バレる。

「…どう手入れしてるの?朝シャンして遅刻ってのは嫌よ?」

周りからクスクスと笑う声が聞こえる。
そしてその女子生徒は更に力を込め


「やっ…やめ…!」


──次の瞬間、

ズルルッ…

ふいに頭が軽くなる。



…そして首がスースーする。

「!!!」

「…髪が一束分……抜けた?」
どう考えても有り得ないが、ウィッグを掴んだままボーゼンとしていた。


「……ッ!」
バレた!

そう考えたら、
足が自然と


「ちょっ…水純さん!?」



バンッ!!


「水純さん!!待ちなさい!!」

気付いたら、俺は無心にも走り出していて…


もう終わったと思った…

もうここに居られない…!





「……はぁ…はぁ…」
息を切らした時には、校舎の裏側の森にいたのだった。






_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ