本編

□2章-ザン・ウィル・シー-
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ひとまずは居間へと移動。
…そこに、俺の恨む人物もまた居た。

「………こ〜ちょ〜う〜…」
彼女は相変わらずの笑顔で座り、お茶を呑んでいる。爺ちゃんの姿は見当たらない。

「柚希ちゃんおかえりなさい♪」
にこりと微笑み、帰ってきた住人柚希を見上げる。
「勝手にくつろぐなー!!(;`皿´)」

「まぁまぁ〜^^」

ったく胡蝶のこの笑顔は戦意喪失するんだよな…何か裏がありそうな感じだし…

後にこの柚希の"裏がありそう"という直感は当たる事になるが……まぁ大分後のお話。


柚希はさっさとザンとペシミストを追い払うべく、二人を睨みつけた。

「んで?帰れねーってどういう事だよ」

ザンとペシミストは机を挟んだ胡蝶の向かい側に座っている。
「さっきも言ったけど…、オレ達召喚師は、召喚する相手に自分の魔力を分け与えて呼ぶんだ。」

「うんうん」
ザンが隣でわざとらしく頷く。
「それとこれと何の関係が………」
話しながら、立っているのが疲れたので自分も座り込む。

「呼び出したあとは普通、戦闘して還るんだ。元のいた世界に。…ザンなら地獄…かな?」
ペシミストがザンをみやる。
「うん、おれ地獄からきたも〜ん」
「まぁ、地獄から?」
胡蝶は怖がる様子も無く、ただ驚いた。
普通この年代の場合、"きゃー魂取らないでー"とか"こーわーいー!みたいなァー"(←流石に古い…)
みたいな反応だと思うんだけどな…


「地獄って言っても仕事はただの番人なだけなんだけどね´∀`」
ザンが照れながら補足する。

「だけど…ザンは…ほら、戦闘してないだろ?…ってか…オレなんか間違ってここに来てるし(--;)」

「空から降ってきたからな〜…あれでよく怪我しねぇな…」
俺は半ば呆れていた。


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