本編

□2章-ザン・ウィル・シー-
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「え──!?」
ザンの高めのテナーと、ペシミストのテナーがハモる。

「じゃあ俺は行くから」
ブーイングをスルーし、踵を返しスタスタと歩き出す。
「付いてくんなよ!!」
行き様に振り替えってキッと睨みつけた。

胡蝶が何かペシミストに耳打ちしたのが見えた。けど、俺には関係無いだろう……
フレイズタイガーを連れ、胡蝶は俺の後を歩いた。

帰り道"この時間にどうして学生が?"という痛々しい視線を受けた。
歩いて帰れるこの距離が、こういう時が酷く憎らしい……。












─────水純(みすみ)家


時代を感じさせる古い玄関をガラリと開ける。

「ただいま〜」

もちろん家には誰も居な…
「おっかえりー!」
 ぎゅううぅー
「ぬぁっ!?!?」

出迎えるハズの無い彼等がそこで出迎えてくれました…。
…体当たりのような飛び付きハグ(抱擁)で…。

「なっ…なんでテメェらが居るんだよ!!」
「テメェじゃないよっザンだよ〜」
俺に飛び付いたまま、ザンはぶーと口を尖らせて自分の名前を言う。

「おかえり柚希〜」
奥から笑顔なペシミストが出てきた。
…なんか普通〜に居るって事が非常に腹立たしい。
「なんで居るんだよ!!付いてくんなって言っただろ!?」
抱きついたままのザンをひっぺがし、ペシミストに怒鳴りつける。

「そんな怒らなくても〜…(`ε´)胡蝶がね、道端の人に"水純柚希の家に行きたいんですけど"って言えば連れてってくれるよって教えてもらったからさっ!着いたら今度は爺ちゃんが出迎えてくれてこのとーり」

何か偉そうに威張るペシミスト。
…この怒りはどこにぶつけたらいいのか…
(;`O´)
「……っ…胡蝶…」

去り際に耳打ちしたのはそれかっ…!
恨むぞ胡蝶〜…((T_T))


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