黒子籠球2

□ラッキーアイテム
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「緑間くんていつもラッキーアイテム持ってるけど、実際その日ってラッキーなことってあるの?」



何気ない質問をしたつもりだったが、黙りこむ彼。ぇ、私変なこと聞いたっけ、と焦っていたら近くで私の質問を聞いていたらしい高尾くんがゲラゲラ笑い出す。



「で、どーなの、真ちゃん?」



「煩いのだよ、高尾。…いいことがあった日はあるのだよ」



「例えば?」



「例えば…その、試合には勝つ」



「この前誠凜に負けたけどなー」



「煩い黙れ、高尾」



「他には?」



「他、は…」



言い詰まる緑間くん。私変なこと聞いちゃったな、なんて今さらなことを申し訳なく思っていたら「話題のきっかけにもなるのだよ」と小さく、本当に小さくぼそりと呟かれる。



「ぇ?」



「ぶはっ、真ちゃんだいたーん!」



「煩い黙れこちらを見るな」



「???」



みるみるうちに赤面していく彼。その理由がわからなくて首をかしげるが、それさえもおかしいのかさらに笑う高尾くん。



「とにかく、ラッキーアイテムは人事を尽くすことのため必要なのだよ」



「そっか、毎日大変だろうけど頑張ってね!あ、もし何か私でよければ協力するからいつでも言ってね?」



「…あぁ」



少しだけ目許が弛み、眼光が優しくなる緑間くん。その表情にキュンとしてしまうのはきっと彼が普段見せない顔を見せてくれたからに違いない。
もっとこういう表情が見たいなぁ、そう思う理由に気付くのはまだ先のことだった。












人事を尽くす!











(ちなみに今日はラッキーなことあった?)
(…あぁ、そうだな)


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