黒子籠球
□素直な彼女と不器用な彼
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「本当に大きいなぁ…」
顔は優男。なのに身長は191という巨人。…モデルにでもなれそう、と思える男が今目の前に。
「何見てんだよ。刺すぞ」
口が非常に悪いのが多少難点だが。
「本当、清志は口悪いよね」
「はぁ?」
ぽろり、とそう言えば怪訝そうな顔でこちらを見てくる。
ほら、そんなふうに眉間にシワ寄せて。せっかくのイケメンが台無しじゃないか。
「もっと愛想よければモテるだろうに。残念だよね」
素直に思ったことを口にしただけなのに、ますます機嫌が悪くなる彼。あれ、私なんか変なこと言ったかなぁ?と首を傾げれば、「俺はお前のなんなんだ」と聞かれた。
「?彼氏でしょ?」
「わかってんならふざけたことぬかしてんじゃねーよ。パイナップル投げんぞ」
すぐまたそういうこと言って、と思いつつ、口が悪くない清志を想像したら、それはそれで胡散臭い気がして気持ち悪いと思った。
「私、口悪い清志好きだよ」
「バカなこと言ってんじゃねーよ」
口調は雑ながらも、耳が赤いことに気付いてつい口元が弛む。可愛いなぁ、と清志。そうか、私は清志の全部が好きなんだ、と実感した。
そのままのあなたが好きよ
(そういえばいつから口悪くなったの?)
(いつって言われてもなぁ…)
(結構清志って好きな子には意地悪するタイプでしょ)
(うっせーよ)