黒子籠球
□青峰ハピバ
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*not夢(夢主も出ません)・青峰の回想のみ
ブブブ、鈍い振動で意識が浮上する。緩慢な動きで携帯を握りしめ、サブウィンドウを見れば7時半。
あー起きるか…と思って携帯をパカリと開きメインウィンドウを見れば、メールの受信数が半端ないことに気付いて思わずギョッとした。
「何だよ、迷惑メールか…?」
受信ボックスを開き、スクロールすればどれも件名は一緒で、…あぁ、今日ってそうだったか…と他人事のように受けとめる自分がいた。
…つか黄瀬、0時ピッタリとかどんだけあいつマメなんだよ。
黄瀬から始まり、さつき、テツ、赤司、緑間、紫原と並ぶ名前に中学を思い出す。
この時期、夏休み真っ盛り。つまり学校がない。だからオレの誕生日は基本身内以外祝ってもらった試しがなかった。しかし中学に入り、バスケ部に入部し、毎日…夏休みなんて関係なくみんなと過ごしていたら祝われないはずの祝い事が急にやってきた。
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「あ、今日って青峰くん、誕生日だよね!」
「ぇ?そーなんスか?!」
「ぇ、あー…そういやそうだな…」
さぁ、帰ろうか、そんなときに思い出したのはさつきだった。
オレも言われるまで忘れてて、だからうちにケーキがあったのか、と変に納得する。
「去年忘れちゃって、家帰って思い出したから今年こそお祝いしよ!」
「いーっスね、ね?黒子っち」
「そうですね。まだこの時間ならお店どこか開いてそうですし」
「近くにファミレスがあるのだよ」
「お、緑間っち、早速調べてんスか?さすがっス!」
「人事を尽くしたまでなのだよ」
「何を大騒ぎしてるんだ?」
「これからどっか行くのー?」
赤司と紫原も更衣室から出て話に参加する。
黄瀬が「今日青峰っち誕生日だから誕生日会しようって言ってたんス」と簡単に説明した。
「そうだな、行こうか。敦はどうする?」
「仲間外れは嫌だしー。オレも行くしー」
「なら、行くぞ。全員揃っているな?」
そしてその日は盛大に誕生日を祝ってもらった。
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懐かしいなぁ、と思い出し、そんな思い出に浸っていた自分が恥ずかしくなった。
「…バスケしに行くか」
ベッドから起きて大きく伸びをする。
カーテンを開けると眩しさに目が眩んだ。
再び鳴る携帯。今度は着信を知らせる音楽が鳴り響く。
相手は見なくてもわかる、お節介焼きな幼なじみだ。
適当に携帯を放って、部屋を出る。特に何の変哲もないが、少しだけ特別な気になるのはオレもまだまだ子どもなんだと思った。
青峰ハピバ\(^O^)/