「タバコとは何か?」

 世間一般では、タバコは悪いものとして排除が進んでいる。しかし、タバコの本質を見出していないような気がする。タバコは何なのかというのを2冊の本を使い、迫ってみようと思う。

 まず、タバコの効能から迫っていこうと思う。タバコは良い効能は無いかのように捉えている人も多いはず。そこで、タバコの良い効能を実際に喫煙している著者が書いた本から見てみようと思う。1、覚醒作用がコーヒーより強い。2、リラックス作用が強い。3、発想の転換を促す。コーヒーでもできる。4、気付け作用。精神安定剤より安全。5、認知症の予防に効果がある。このように5つの効能がある。いずれもニコチンが脳に作用していることが考えられる。吸う時間により、興奮作用や鎮静作用が得られるという記述もあった。タバコにはこのような良い効能も存在するのである。

次に、タバコの成分から迫っていこうと思う。タバコの主成分、ニコチンの純品はヒ素と並んで毒物及び劇物取締法に指定されている。致死量は青酸カリより低く、40mg〜60mgである。また、このニコチンをしっかり体内に取り込めるように、有毒な添加物(アンモニアなど)が含まれている。喫煙が発がんの原因であるというのはこういった添加物も少なからず関係していることが考えられる。

次に、ビジネスツールという観点から迫っていこうと思う。タバコビジネスの中には卑劣なものもある。まずは、未成年をターゲットにした販売研究がなされていた時期がある、ということだ。これは、外国の研究だが16歳の行動を観察してどのように売るかを議論していたようだ。次に、前述したように、ニコチンを効率よく体内に取り込むために有毒な添加物も添加されている。何回も買ってほしいという企業の理念が見えてくる。タバコはニコチンを利用した会社の販売ツールの1つであると考えてもいいだろう。

ここで、2冊の本に共通していることを述べようと思う。それは、「タバコには害がある」、ということである。嗜好品の枠外で捉えるというのもあるが、やはりタバコは嗜好品なのであろう。なぜなら、日々のマンネリ化したなかに、ニコチンという刺激を求めるというのが特徴であるからである。

最後に私の意見を述べようと思う。タバコは悪いものではあるが吸いだしたら逃げられないという特徴もある。今喫煙していない方はタバコを吸わないことを勧めたいと思う。逆に今、喫煙している方は将来の咽頭がん・肺がんのリスクが増えるということ、喫煙を続けると肺疾患でチューブに繋がれた生活や声を失うということもある、というのを承知の上、禁煙するか喫煙するかを選ぶと良いと思う。ちなみに禁煙を5年以上すれば、健康は回復するというデータもある。非喫煙者の水準まで回復することも可能である。

参考文献 名取春彦・上杉正幸 「タバコ有害論に異議あり!」,洋泉社新書,2006
     
宮島英紀 「まだ、タバコですか?」,講談社現代新書,2007

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