短編

□仕返し
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「…げ」







天候は雨。


フランスの家に押し掛けに行こうと思った時の事やった。







「(…最悪や)」





目の前にイギリスが歩いて来た。





「……何でお前がここに居んだよ」

「は?お前に関係ないやろ」

「あぁ、何だその言い方?」

「うるさい。早よどかんかい」

「るせーな、言われなくてもそうするっつのバーカ」



あーも、テンション下がるわ。

何でよりによって会ったのがこいつなん。


後でプーちゃんにイタメでも送って気晴らそ。




そんな事を考えながらしばらく歩いとったら、いきなりイギリスがこっちに振り向いてきた。

今度は何やねん。





「…おい、着いてくんじゃねーよ」

「あぁ?お前が着いて来とるんやろ。早よのけ」

「オレはフランス家に行くんだよ」

「…マジで?」






…悪夢や。





「…オレもフランス家に向かう途中やったんよ。やけど、お前も行くなら…」

「…っ!」





ドサッ





「…!?」





え、何こいつ。


何でいきなり倒れとんの。





「はあっ…はっ、」

「!?…お前、熱あるやん」

「う、うるせえ…。ばかあ…っ」

「ふん、ええ気味や」





そう言い残し、その場を去ろうとしたが。





「(………。)」




「っはあ、はあ……」

「…っだーー!もう何やねん!」

「!?」





オレのもともとの親分気質から、こいつを見捨てる事なんて出来ず。





「何なんお前?目の前で倒れんといてよ。」





そう言い、オレはこいつを抱き上げた。





「!?…は、離せよばかあっ!」

「うっさい、病人は黙っとれ」

「お前に助けられるなんて、オレのプライドが許さねーんだよ」

「オレやって、ほんまはお前を助けるなんて死んでも嫌やわ」

「っ、じゃあ置いてきゃいいだろ!?何で」

「そのフラフラの体でフランス家行ったら、向こうも迷惑やろ」





ぴた。
イギリスの動きが止まった。

つーか、実際迷惑すんのはこっちの方になるんやけどな。

この前もフランスと遊んでて、いきなりこいつが押し掛けてきたと思ったら、こいつらオレを忘れて2人だけの世界に行きよるんよ?


会いたくない奴に遭遇したうえ、フランスは全く相手にしてくれんし。

あの時のオレはむっちゃ不憫やった。

不憫なのはプーちゃん一人で充分やろ。





「お前あいつの恋人なんやろ?恋人に迷惑かけたらあかんやん」

「……っ、そんなの分かって」

「分かっとんなら大人しくしとき。」







とりあえずオレは自分の家に引き返し、体をタオルで拭いてやった後、楽な格好に着替えさせてやった。



「ほら、薬やで」

「…ふん」



カチン




「…おい、人が親切にしてやってんのに何やそれ」

「誰もてめーに助けなんて求めてねーよバーカ」

「っ、ほんま腹立つなあ!」





ぐいっ





「!!?」





オレは、口移しでイギリスの口内に無理矢理薬を埋め込んだ。


最悪や。
後で消毒せな。




「…!っふ、ん」

「っ、」

「………〜〜っ!」

「………ぷはあっ!」


「っはあ、はあ…」

「ちゃんと人の親切心は受け取りーや」

「!っるせえ、」





可愛くねえ。

いや、可愛げがあっても困るが。


少し意地悪してやろ。





「おいてめえ、何してんだ」

「は、お前が誘惑すんのが悪いんやろ。」





そう。

今のこいつの姿は、いつものキッチリした軍服ではなく、鎖骨が見えるくらいに首元の空いた服。


それに加え、熱があるせいで息づかいが荒く、顔も真っ赤で涙目。

汗もかいているせいで、すごくいやらしい。



最近仕事が忙しく、オレはロマと全くヤってなかった。

だからなのか、
そんな姿のイギリスに、オレはほんの少しだけ興奮した。






「っ、ふざけんな…!どこ触って、」

「昔からお前には、良いようにされっぱなしやったからなあ、」

「っどけよ!」

「嫌に決まっとるやろ」

「…んあっ!」

「は、何。ここ弱いん?」

「…っ!違えよばかあっ」

「さすがエロ大使」





あかん、止まらんくなってきた。
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