ついんず
□08没
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「…晶、」
『ん?どうした?』
「…お前、乾の家に一人で行ってるのか?」
『そうそう。貞治に料理教えてるんだー…ってなんで仁が知ってんの?』
台所のカウンターにひじを置いて晶の方を見ている仁に訝しげな視線を向ける。うるさいから仁には言ってなかったのに!なんで知ってんだこいつ。言葉には出さずとも仁には伝わる思い。なんかいらっとするものが伝わってきた。
「てめぇも一応女だろうが。不用心に男の家に行ってんじゃねぇよ。喰われるぞ」
『…喰われねぇよ!最近このネタ多い!っつか一応を強調すんな!大体、うちの事女として見れるのかっての』
「…無理だな。無理無理本当無理」
『 い ら つ く !』
晶を女としてみれないだろうと言ったのは晶だが、仁の無理発言にいらっときたらしい。
ガキン
『……』
「……」
いらっとした晶が取り出したのは真っ黒いトンファー。そして仁も全く同じタイミングで銀色のトンファーを出してきた。ガキンと金属音がしたと思えば交わっている2本のトンファー。その状態でぎりぎりと力比べをしている。突っ込んでいいだろうか…。お前らそれどこから出てきた。双子はトンファーで戦い始めてしまった。
「わーわーわー!兄貴、仁兄、家の中で喧嘩するのはやめてってば!!」
一階からドタバタと音が聞こえたから焦って降りてきたらしい雅人。
『だって仁がうちの事どうやったって女として認識できないって言うんだもん』
「あ、それは賛成」
『はいふざけんなー』