ついんず

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『遅ぇよ!人集まっちまったじゃねぇか!』


「俺は7分37秒しかまたせていないよ。それに人が集まるのは俺のせいじゃない。晶が凄いからだ」


『…ほ、誉めたって遅刻したのは許さないんだからな…!』


「(嬉しそうだな…)それに遅れそうだとメールはしたぞ」


『…………ごめん、見てなかった…』


「だろうな。その確率は87%だった




…それより、俺のメガネを早く返してくれないか?」




晶はさっき乾に跳び蹴りしたときに吹っ飛んだ乾のメガネを素早く回収。わからないようにずっと持っていたのだ。



『なんでわかっちゃうかなー。…やっぱり貞治、眼鏡ない方がいいよ。超イケメン、惚れる』


「特に眼鏡で不自由した、と思ったことがないからね。コンタクトに変えるつもりはないよ」


『(…イケメンのくだりスルーかよ)』


晶がしぶしぶ眼鏡を渡すと乾はすぐに眼鏡を定位置に。かけた途端逆光し始めるんだから不思議だ。
乾の素顔は凄くイケメン。晶はそう言いふらしているのだが、誰も(主に仁と亮)信じてくれない。いやしかし、あれは氷帝の帝王とか呼ばれていい気になってる(ここ重要)跡部よりもずっとイケメンだ。奴はなんだかナルシストが全面的に出ていて嫌だ。
乾が素顔でふわりと笑うと晶はどうしても赤くなってしまう。自分の笑顔で赤面させた事(女相手に)はあっても自分が赤面したのは乾のこの笑顔だけだ。本当にイケメン!はいはいはいはいわかったっつの。毎回のように仁に流される。ちなみに乾は自分の笑顔で晶が赤くなっていることに気づかない。眼鏡がなくてよく見えないからだ。



『あーあ。眼鏡かけちゃった、もったいねぇ』


「…はぁ。眼鏡がないとテニスが出来ないだろ」


『まぁそうだよな』


「さてコートに入ろう。…しかし珍しいな。晶がテニスを教えてくれ、だなんて。晶がそんな事を言う確率は30%以下だった。」


『ははは、そうだろうな。まぁ、ちょーっとテニスで本気にしたい奴がいるんだ。よろしく、貞治』


「あぁ。また今度、その話も聞かせてくれ。対策も立てるよ。



さぁ、まだ晶のデータはないからな。最初に少し打とう。基礎は出来てるんだろう?あとはそれからだ」


『(やっぱり貞治に教えてもらうことにしてよかった)』



乾の他にも何人か教えてもらう候補はいたのだが、やはり乾が一番教えるのも上手いし、わかりやすいだろうと思って乾に頼んだのだ。それに貞治イケメンだし!…それはわかったから。晶先輩のそういうのキモいっす。最近出て来ない生意気な後輩、山田の声が何故か届いた。よし、山田明日のパソコン全部潰す。…ごめんなさい。



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