ついんず

□06
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今日の俺は運が悪い。

朝、一人で最近出来たショッピングモールに来たまでは良かった。


「あれ、日吉一人?良かったら一緒に行かない?」

「あれ?日吉と鳳やんか。俺今岳人と一緒に来とんのやけど、一緒に回らへん?」


こんな感じで長身野郎と赤おかっぱ先輩と変態先輩と一緒に回ることになってしまった。なんで休みの日までこいつらといなきゃいけないんだ。これが晶さんなら喜んでご一緒するのに…。



「あ、あれ神崎先輩じゃない?」



ぐるり、日吉の首がフクロウのように回った。うわっ!日吉、それ大丈夫なの?
鳳の言葉により日吉の晶レーダーが音を立てて晶を見つけたようだ。



「晶さんっ!」

『ぶっ!!』


「休日に晶さんとお会い出来るなんて…!」


『…ゴフッ…よしよし、うちも嬉しいよ。だからちょっと離れろ、苦しい』



飲食店から出た所を日吉に捕獲された。腰をがっちりホールドされている。さらにはお腹に頬擦りして幸せそうだ。ちょっとは周りの目を気にして欲しいところ。



「ほんまに神崎や……って日吉またやん…」


「クソクソ!日吉ばっかりずりーぞ!」


「お久しぶりです!神崎先輩…って日吉?!」


『おー、お前らも来てたのな』



テニス部マネージャー、綾女の一件以来テニス部の中で晶はちびっ子組からヒーローと崇められていた。

鳳は晶を目の前にして態度ががらりと変わった日吉に相当驚いているようだ。晶にとってはこっちの方が普通なのだが…。



「神崎は一人で来てるん?」


『いや連れが2人…』



後ろを見ると白いのを引っ張って後ろに下がり大きく×印を作っている亮が目に入った。そういえば亮はテニス部だったな。




にやり




仁も同じ顔をしている。


「(ばらすか?)」


『(いや、面白いからばれるかどうか試してみようぜ)』



目線だけで会話をしていた。長年幼なじみな亮は不穏な空気を感じたのか忍足たちに見えないように、仁をどついていたが。



『…(にやり)あの白いのとメガネ掛けてる女の子だ』


「うわー!すんごい美人じゃんか!」


「えぇ足しとるなぁ、お姉さん」


『エロい目で見るな』


ゴスッ「ぶっ…!」


忍足が晶の蹴りに沈んだ。あ、眼鏡割れてる。流石に同じ部の仲間にエロい目で見られたんじゃ亮が可哀想だ。


『日吉、そういえばこの前言ってた相棒ってこの白いのだよ』


「…亜久津だ」


「………下剋上です」



どうやら晶の相棒という地位に燃えたらしい。日吉、お前可愛いな。



「それで、お姉さん名前なんて言うん?」



忍足が替えの眼鏡を掛けながら話す。なんだ、替えあったのか。つまんねぇな。



「…佐藤亮子です」←適当


『忍足、可愛いけど亮ちゃんに手出すなよ(自分のために)』


「何や。神崎の彼女かいな」


『胸に手を当ててうちの性別よく考えろ腐れ眼鏡』


「神崎に彼氏いるよりは彼女いる方が信じられるぜ」


『よし。変態眼鏡、赤おかっぱの順に三途の川渡らせる。行け日吉』


「はいっ!」


日吉がいい笑顔で2人に突撃していった。なんか樺地っぽいぞ日吉。
それにしてもぴーぴーぎゃーぎゃーショッピングモール真ん中で騒いでいる連中を誰も何故注意しないんだ。…あれか、顔がいいからか。目の保養だからか。















「…あの、違ったら申し訳ないんですけど、もしかして佐藤さんって宍戸さんですか?」



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