ついんず

□05
2ページ/3ページ




仁と一緒に朝ご飯を食べて学校に行く準備をする。仁をテニス部の朝練に行かせるために目標出発時刻は6時半と早めだ。もちろん遅くまで仕事だった優紀を起こさないよう静かに!…さっきあんなに騒いだのは置いておいて。晶はたまに突然仁の家に泊まりに行ったりするため、Yシャツや靴下をすでに仁の家に置いてあるので、昨日のものを再び着るという心配はない。





『仁ー学校いくぞー!』




「……」






一方の仁は晶がいると無理やり朝から学校に行かされて嫌そうだが、しっかりと制服を着て待っている。寝ている優紀のための朝ご飯を準備してから2人で、行って来ます、と家を出て行った。





『はい仁、弁当な』






「…晶、てめぇ一体何時に起きてやがんだ」






『やーん仁ちゃってば心配してくれてんの?』





「気持ち悪ぃ」






『ひでぇ!』






ぶらぶらと仁と一緒に山吹中に向かう。山吹と氷帝は案外近い。仁の朝練の時間に一緒に行けば余裕で山吹に寄ってからHR前の氷帝に着けるのだ。




「あ、あっくんおはよー。今日は朝練行くんだね!…………って晶さん!?」




『よっ!清純、久しぶり!』




「朝から晶さんに会えるなんて、俺ってラッキー!晶さん、今日は制服なんだね。可愛いよ!」




「…てめぇの目腐ってんじゃねぇの?」




『あ゛ぁ?仁、どういう意味だコラ』





十字路で目立つオレンジ色と出くわした。白ランにオレンジ髪、強く印象に残るコントラストだ。真っ黒黒助晶と真っ白白助仁も人の事は言えないが。





「今日は晶さんなんで山吹に向かってるの?」




『昨日優紀ちゃんに仁の夕飯作ってやってって言われて仁んち行ってー』




「飯食ったあと俺んちに泊まりやがって」




「朝無理やり起こされて朝練に行かされてる」
『朝無理やり起こして朝練に行かせてる』




「(ハモった…!)」





流石似非双子!ハモった!とにやにやと笑ってると2人が可哀想なものを見る目で見てくる。しかし、今この似非双子どもは重大な事を言わなかっただろうか。





「晶さん、あっくんちに泊まったの…?お母さんいない状況で…?」




『あぁそうだけど、どうかしたのか?』




「晶さん危機感持って!男の家に無防備に泊まるなんてダメ、絶対!」




『…うん?』




大きく手で×マークを作って訴える千石とは裏腹にあんまり理解してないような晶。




「晶さんあっくんに食べられちゃうよ!」




『…うち相手に欲情する奴なんていねぇよ。だいたい仁だぞ?うちらの感覚的にはそれ近親相姦だからな』




「…誰がこいつみたいな男女襲うか。それに、晶に襲いかかったところで返り討ちに合う」




『おう。不能にするぞ』




「………」




でも俺なら間違いなく襲う。そうは言えなかった千石だった。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ