ついんず

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『いやぁ悪かった!大丈夫か?跡部?』

「てめぇそんなこと微塵も思ってねぇだろ…!」


真っ黒いつなぎを着て彩愛を抱えている奴が痛がっている跡部を押しのけて入ってきた。170を超えているだろう長身に髪も目も真っ黒だから威圧感が半端ない。更に跡部に引けをとらない美形だ。それにニヒルに笑っているものだから、悪役さながら。あの跡部様にはないちょっとワルい感じがまた痺れるのよね〜!どっかの女子が言っていた。跡部は思った。こいつ本当に女か…?自分と同じくらいモテる晶が女であるとも、目の前の真っ黒くろ助が女であるとも、到底思えなかった。ひでぇ!晶が聞いたら絶対にそう言う。


『彩愛ちゃんを連れてきたんだ。今日1日は多分歩けねぇから、誰か家まで送ってやってくれ。』

「おい神崎…ちょっとまて、どういう事だ?」

「その前に跡部は知っとるみたいやけど、兄さん誰や」


さっきまでのちょっとおちゃらけた雰囲気はいずこ、張り詰めた空気が入ってきた。晶は彩愛を近くにあったソファーに下ろした。


『うちは神崎晶だ。風紀委員長やってる。』


「私が殴られてた時に神崎先輩が助けてくれたんです。」


「!クソクソ!どういう事だよ、それ!」


晶が事の顛末を話すと、全員が暗い顔になった。


「なぁ…彩愛ちゃん、俺らそんなに頼りないんか…?」

「!そういう訳じゃ…!」


「俺らはもっと頼って欲しかったんだ。」


「そうだC〜!」


「これからはもっと俺らを頼れ。仲間だろ?」


「…はい!」


上から忍足、彩愛、跡部、ジロー、宍戸だ。
あれうち場違いじゃね?でも見てるのも微笑ましいので、このままにやにや観察することにした。それに気付いた亮が不振な目で見てくるが気にしない。


「お前に危害を加えた奴は俺様が直々に退学にしてやる」


『はいストップ!』


「…なんだ」


『この件に関してはうちら風紀委員に任せてもらう。跡部、お前の終わらせ方は後味悪ぃ。だろ?彩愛ちゃん』


彩愛は苦笑いしている


「ちょい待ち!神崎ってあの風紀委員長の神崎晶か?」


『さっきからそう言ってんだろーが』


風紀委員長と言えば、悩み事や困った事は万事解決。学校の各所で野菜をプランター栽培してるらしく、全部見つけると願いが叶うらしい。それからフェミニストで跡部と並ぶくらい美形で長身の女だと聞いている。こいつホンマに女なんか?うるっせぇ女だ!ぶっ!!…忍足が殴られた。


『…話がそれたな。っつー訳だから跡部は手ぇだすなよ。ただ、なるべく一緒にいるようにしてくれ。頼むよ』


「わかった。神崎、それで確実に解決するんだろうな」


『当たり前だ。誰に言ってんだ?跡部。…今週中にはカタをつけるよ』


晶がにやりと笑った。


『よし。じゃあ話したいことも話したし、うち帰るわ!』


じゃあな!晶は勢よく立ち上がって、彩愛の頭を撫でると部室を出て行った。


「神崎先輩!本当にありがとうございます!」


晶が後ろ手で手を振ったのがドアの隙間から見えた。



「クソクソ!なんだアイツ!めちゃめちゃ格好良いじゃねーか!」


「うん!すっごく格好良いC〜!」


「ですよね!晶先輩って名前で呼んでもいいかな?きゃーっ」


「ちょっ…彩愛ちゃんあぁいうのがタイプなん?」


「はい!めちゃくちゃ優しいですし、さり気ない気遣いとか、笑い方とか、あとちょっとワルそうなとことか、それから…」







「…そう落ち込むなよ忍足。晶より男らしい男はそうそういねぇよ。お前が負けて当たり前だ」


「…」


「…宍戸さん、それ追い討ちかけてます」



向日、ジロー、彩愛のお子様3人組は晶の格好良さについて語っていて、隅の方でいじけている忍足を宍戸と鳳が慰めていた。…あれ、俺ら深刻な話してたよな。…ウス。













ガチャ(お疲れ様です。…なんですかこの空間は)(日吉か。さっきまで風紀の神崎が来ててな…)(…!なっ…なんで晶さんが来てたのに教えてくれなかったんですかー!)((えええええええ))



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2話目です(・∀・)
文章力ない私にはシリアスは無理ですね…。申し訳ありません…。

あとうちの日吉くんは晶ちゃんが関わるとキャラ豹変します!

ここまで読んでくださってありがとうございました!


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