HHeLiBeBCNOFNe!

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「姉ちゃん、おれ山に行ってくる!」


『…は?えっ、ちょっとルフィ!山は危ないから行っちゃだめって言ってるでしょ!?』


「おれは海賊になるんだぞ!こんな山なんてへっちゃらだ!行ってきます!」


『ルフィ!』


玄関を飛び出して、ルフィは山の方へ駆けて行ってしまった。どうしてあの子はあぁなのか。どこで育て方を間違えた…。アズミは頭を抱えこんだ。しつけし直さなければ。しかし取りあえずはあの山ザルを回収するのが先である。


『…あのクソガキが…!』


自分の弟をもはやクソガキ扱い。酷いもんである。アズミはルフィ同様家を飛び出して行った。どうしてこう…大変な時に、あの髪の赤い中身がガキである頭の一団は海に行ってるんだ!言いようのない怒りを今ここにいない男たちに向けながら走りだした。帰って来たら一発殴ってやる。ベックさん以外全員。もはや八つ当たりである。

「アズミちゃん、そんなに急いでどうしたの?」


『マキノさん!ルフィ見ませんでしたか?!』


「ルフィ?さっき山の方に走って行ったわよ」


『ありがとうございます!』


「アズミちゃん…?どうしたのかしら?」

















ついにここ(山)まで来てしまった…。ここに来るまでに肉屋とか魚屋があるが、両方ともルフィのいた痕跡はなく、アズミは焦っていた。


『ルフィ、やっぱり山に行ってる』


くそっ!あの悪ガキが!帰ったら説教してやる。
心の中だけでも罵っておかないとアズミ自身が心配でどうにかなってしまいそうだった。山には巨大で危険な動物がいるから絶対に入ってはいけない、と日頃から教えていたはずなのに。あの子はいったい何を考えているんだ。アズミは自分の弟ながらその思考回路に頭を捻る。しかし今はその時ではない、と思い直して山に入って行った。


『…ルフィ、お願いだから無事でいて…!』




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