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□お題モノ
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●温めてみようか(蛇光)



「先輩、最近抵抗しなくなりましたよね。」
「…聞こえの悪ィこと言うんじゃねェ。……テメェが是が非でも後ろから突撃してくるからだろ…。」
「だって……俺後ろだっこ好きなんですもん。」
「もんじゃねぇよ、もんじゃ。」

「もしかして恥ずかしいとか?キャー可愛いー!」
「……そんなにタコ殴りにされてェか。」
「それが先輩の愛なら喜んで!」
「………マジで疲れる奴だなお前…」

「はー……落ち着くなぁ……」
「止めろ頭に顎乗せんな。」
「だって先輩、つやつやしてて触り心地いいし…なんか食べちゃいたい。」
「食うならトードにしとけ。」
「あは、それはそれで酷くないっすか。」
「知るかよ。あいつ見るとお前目の色変わるしな。」

「……あれ?それって嫉妬っすか?」
「ちげェよ馬鹿。」
「なんだぁ…期待したのに。」


「………いつも思うんだがよ。」
「はい?」
「お前、あんまし暖かくねぇよな。」
「……はい?」
「っだから、こうやって近くにいんのに暖かくねぇんだよ。」

「……要は『抱きしめられてんのに温もり感じなくて寂しいじゃないスネークのばかぁ』ってことで間違いないっすね…!?」
「だからどうしてそうなるんだよ?!俺はそんな気持ち悪ィこと言ってねェ!」

「可愛い先輩の疑問にお答えしますね。俺、蛇ですから。」
「んなこと分かって………あ。」
「気付きました?変温動物なんすよ。」
「でもお前ロボット……」
「探索するにはサーモをくぐらなきゃならないこともありますからね。基本外気温と体温は同化出来るようにしてあるんです。」
「道理で……」

「先輩、暖かいのが好きなんすね。」
「冷たいよかいいだろ。」
「じゃあ、あっためてみます?」
「……熱いのは勘弁だぞ。」
「ふふ、じゃあもっとくっついて下さいよ。」

「………〜〜っ」
「はい、ヒーター入れましたっす。しばらくすれば、ほんわか人肌で止まりますね。」

「……もっとムードある言い方出来ねぇのかよ。」
「それじゃあ、違う熱の方がいいんですか?」
「………言わせんな馬鹿蛇…」
「!!………明日は雪かなぁこりゃ。」





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