おれのもの
□にーい
1ページ/13ページ
俺に抱きつきながら、グスッと鼻水をすすって早一時間。
そろそろ離れて欲しい訳さ。
大塚の鼻水と涙で俺のワイシャツぐちゃぐちゃだし。
「あー、大塚?もう、離れててもらってもイイ?」
「…うっせ。クソ」
うん。
カスからクソへ、レベルアップしたみたいだ。
んー
それにしても大塚とは、話しが噛み合わないなあ。
俺は少し困って、眉を下げ大塚を見る。
「大塚の話しはあとで聞くから、とりあえず、今日は俺の部屋来ない?」
「はあっ?」
「あ、イヤだから。俺、後藤と同室なんだけど、後藤帰ってこねぇし…。だったら大塚に来てもらって、ゆっくり眠ってもらいたいなって…」
明らかに険悪な顔をしていた大塚は、俺の言った言葉に瞳を輝かせた。
「なんかさ!それってよ!青春みてえだな!友達みてえだな!」
瞳をキラキラ輝かせて、嬉しそうに言う大塚に少し罪悪感を感じた。
と、同時に笑いも込み上げてきた。
青春って!!!
「そ、うだなー。青春で友達みたいだな。」
「おう!」
こうして見てみると大塚って子供っぽいんだな。
.