宝物


□ただ好きなだけの向日葵様から相互記念に頂きました
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 遼平様へ/相互記念
気持ちを改める為に、部屋を片付けてみた。
最後になった長いこと開けていなかった押入れ。
使われることがなかった物たちが埃まみれで眠っていた。
大仕事になるだろうなと思ったとき、一冊のアルバムが目に留まる。
高校時代の写真を保管していたものだ。
気になったから、見てみることにした。
中に入っていた写真はまだ若かったあの頃、はしゃいでいた俺と仲間。
体育祭、文化祭、修学旅行など今でも覚えている行事の写真。
思い出しながら少しはにかんでいると、1枚の写真が目に入った。
―カメラに向かってピースサインを決める俺と微笑む彼女。
懐かしい。彼女とは高校2年生から付き合った。お互い初めてだったから、色々と大変だったけどそれなりに上手くやっていた。
「ねぇ写真撮ろうよ!」
「写真?」
「うん!1年記念日だよ今日!」
無邪気に笑う彼女がカメラを持った片手を、空へと伸ばす。
「ハイチーズ!」
かっこいいポーズが思いつかなかったからピースサインをしたんだ。
「現像して渡すね!」
「おお。頼んだよ。」
「私、この写真大切にする!」
そう言った君はどこに行った?
「また写真撮ろうね!」
結局、写真は撮らなかった。
この写真が俺たちの最後の思い出。
持っていても、もうなにもないはずなのに、俺はまたアルバムに戻した。
写真の二人は笑っていた。
(その思い出を永久に残したかったんだ。)

……………………

向日葵様に頂きました!
凄く嬉しいです
凄い素敵な話でしたありがとうございます!
お題お借りして頑張って作詞します!

 

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