掃き溜め


◆今夜のおかずは熱帯魚(BASARA) 

「君、何だねこれは」
「何って、お土産じゃない」
「私は内容について聞いているのだが」
「ああ、これ? 綺麗でしょう? わたしが釣ってきたのよ」
「今回はどこまで行ってきた?」
「薩摩」
「ほう」
「……の、少ぅし南まで」
「ほう……?」
「や、ちょっと。弾正、痛いわ、やめて」
「君がどこへ行こうと構わないが、風魔を連れての遠出は国内までにしろと言わなかったかね?」
「だって飽きたんだもの。それと風魔は連れていったんじゃなくって、ついてきたの」
「風魔、本当かね」
「……」
「風魔ったら、心配性なんだから」
「…………」
「君が危なっかしいからだ」
「そうかしら」
「どうせこれを釣るときも風魔の世話になったのだろう」
「失礼ね。ちょっと餌をつけてもらって、ちょっと遠くに投げてもらって、ちょっと待っててもらって、ちょっと引き上げてもらったくらいよ」
「……君は何をしたのかさっぱりだが」
「網で最後に掬ったわ」
「良いとこ取りか」
「そうね」
「素直なのは君の美点だな」
「料理の腕も、でしょう? そうそう風魔、残りのお土産も運んでくれた?」
「…………」
「ありがとう。それじゃあ捌きましょうか」
「……まさかとは思っていたが、これを食すのかね」
「嫌なら食べなくっても良いわよ? 煮付けにすると美味しいんだから。ねぇ風魔」
「…………」
「ほう……よほど美味だったとみえる」
「どう? 食べる?」
「頂こう」

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戦国グルメリポーター松永、というフレーズが不意に浮かんで書いたもののオチが行方不明という結果。
この上なくカラフルな魚の煮付けを食べる松永さんはシュールだと思います。

2011/11/23(Wed) 17:29

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