掃き溜め


◆一方的な悪友(薄桜鬼) 

※名前固定で実在の隊士設定
※主観は千鶴ちゃん

 基本的に丁寧な、それでなければ事務的な言葉遣いを崩さない山崎さんが、唯一素で喋るのは河合さんだけ。
「……河合」
「どないしたん山崎くん。般若みたいな顔しとるけど」
「一体何度言えば覚える……何度言われれば気が済む……」
「なんや呪詛みたいやなぁ」
「恨み言で呪えるならお前は今頃死んでる」
「すーさんからの呪いで? 熱烈やねぇ」
 だからそういう話ではないと言いたげに、山崎さんが大きな溜め息をつく。楽しそうに笑った河合さんは、服の袷から一冊の本を取り出しひらひらとちらつかせた。それを見て山崎さんが表情を変える。先ほどよりも、険しいものに。
「キサ、返せ」
「えー」
「お前がやっても可愛いげなんぞないからやめろ」
「雪ちゃんが言うたら可愛いって?」
「誰もそんなことは言ってない!」
「すーさんむっつりやからなぁ……大丈夫やって、おれはちゃあんと判っとるから」
「だからそういう話じゃないと……」
「……それともすーさん、雪ちゃんが可愛ないって話なん? 目ぇ腐っとるんとちゃう。こんな可愛い子そうそう居らんで? もしかして男色、」
「断じて違う!」
「なるほど、良かったなあ雪ちゃん」
 急に話を振られて箒を握ったまま首を傾げれば、河合さんはにたりと笑って口を開く。
「すーさんも可愛えと思うて言うたから」
 傾げた首を戻して意味を理解する前に、山崎さんの怒声が響いたのは言うまでもない。

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河合さんと山崎さんは友達。
新ぱっつぁんと佐乃さんみたいな関係かと。
同室という裏設定もあります(笑)

2011/12/17(Sat) 19:47  コメント(0)

◆桜桃のような(薄桜鬼) 

※名前固定で実在の隊士設定

「雪ちゃん」
「はい」
 すぐにくるりと振り返り、何かご用ですかと目の前で小首を傾げる彼女を見つめて黙り込む。きょとりと瞼を瞬かせて見上げてくる彼女を見つめたまま、呟くように言葉を続ける。
「雪村さん」
「雪村くん」
「雪村」
 何を言ってもしっくりこない。やはり最初の呼び名が一番か、と原点回帰しようとしたが、ふと思い付いてまた口を開く。
「千鶴ちゃん」
 新選組一の根性悪である彼が脳裏に浮かんだが抹消する。
「千鶴はん」
 言いやすいがこれも気に入らない。
 はてさて何が残っているやらと腕を組んで考えて、やっと出てきたのは一番簡単な呼び名。
「千鶴」
 零れ落ちそうなほど大きな瞳をしっかり見つめて名を呼べば、今まで何が何やらという顔をしていた彼女の頬が一瞬の間を空けて真っ赤に染まる。ああ、これだこれ。これが見たかったのだ。けれど他の奴に見せるのは勿体なさすぎるので隠しておこう。
 そんなことを思いながらよしよしと彼女の頭を撫でる顔は、当然ながら緩んでいた。

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千鶴ちゃんはみんなの嫁。
雑多サイトなら昔考えてたネタとか載せて良いよねって良心に聞いたらおけーって言ってくれたので←一人芝居
まさかの千鶴(を落とす)夢だけど需要あるって信じてます…うん、オワコンだけど。
簡単なスペック→河合耆三郎(かわいきさぶろう)、25歳、新選組勘定方、関西弁。

2011/12/16(Fri) 20:21  コメント(0)

◆ウヰスキーがお好きでしょう(TOX) 

※名前固定でジュードの姉設定
※BLに見せかけたNL

 重い装甲靴を鳴らして酒場の奥部屋、VIPルームと呼ばれるそこに姿を現せば、彼はグラスを弄びながらこちらを向いた。
「悪いね、待たせたかな」
「……遅ェ」
 不機嫌MAXだと思いながら苦笑して隣に腰を下ろし、空になりかけだった彼のグラスにボトルの残りを注ぐ。ラベルの名前は、値段が張ることで有名な度の強いウイスキー。これをロックで飲むとは、色んな意味でいやはや、なんて考えながら。
「海上が封鎖されてたからねぇ、どっかの誰かさんのおかげで」
「こういうときに限って海路使いやがって……ちょっとは情勢も考えたらどうだ」
「普段陸路使ってるって言ってないんだけどな。調べたのかい? わざわざ? 私のために?」
「テメーが端末持ったまま失踪したからだろうが!」
「愛されてるなぁ」
「どこがだボケ。撃つぞ」
 弾丸のようなやりとりは楽しいけれど、撃たれるわけにはいかないので懐から件の端末を取り出し、彼の前へと滑らせる。つい出来心で、特に理由もなく拝借したのだが、彼にとっては重大な事件だったらしい。故郷と連絡を取る手段ならいくらでも買って出るというのに。勿論対価は貰うが。
「くくっ、いやいや悪かったね。つい楽しくて」
 喋りすぎた舌を労うためにボトルに口をつけ、三口ほど残っていたウイスキーを喉へと流し込む。焼けるような感覚は一瞬だけ。後味を楽しむようにぺろりと唇を舌で舐めれば、彼は表情を少し変えた。彼にしては珍しい、意外そうな顔に。指摘すれば仏頂面に戻ってグラスをあおってしまったけれど。
「実際、意外だからな」
「郷に入っては郷に従え。飲むときゃ相手と同じものを」
 師匠の教えだと口にする。笑うように軋んだ音を鳴らす爪先を二度、床に軽く打ちつける。ごんごんと響いた音は鈍く、重い。
「いい味だ」
 ぽそりと呟いた言葉に、隣の男が小さく笑う。その際も消えない眉間の皺をこねくりまわしたい衝動を抑えながら、氷の入ったグラスを用意し近場にあった馴染みのバーボンを注いでごくりと勢いよく流し込んだ。

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とりあえずジランドさんラヴ←えっ
姉はふたなりでも許されるような気がしてきましたがそこまでご都合設定だと俺得でしかないので自重すると思います。
下があったらきっとジランドさん食べられちゃうと思うんだ!←自重

2011/12/13(Tue) 13:54  コメント(0)

◆いぬねこ(BASARA) 

 人懐こい大きな犬に懐かれたと言ったらあなたは怒るかしら。と言えば、彼はぴたりと箸を止めた。

「君、この間は小田原に行ったのではなかったのかね」

「行ったわ。爺様にお灸を据えて、ついでに祇園へ寄ってきたけれど」

「犬は前田の風来坊か、成る程」

 言い得て妙だと言いつつも、彼は愉快そうに笑っている。判りやすいのに素直じゃないんだからと呟きわたしも止まっていた箸を動かした。

「犬好きだったとは初耳だ」

「あら、わたしは猫より犬派よ? うちの無口な黒犬も好きだもの」

 ね、と庭へ声をかければ、うちの忠犬は松の樹に雪避けを付けながら首を傾げた。顔が隠されているからか、声を出さないからかは知らないが、あの子は存外感情表現の身振りが大きい。伝説の忍を犬畜生に例えるなんて、罰が当たりそうだけれど。
 ふと隣から不機嫌そうな気配を感じて、小さく笑いながら振り向けば、思ったよりも詰まらなそうな顔が視界に入ってまた笑う。本当に判りやすい人なんだからと呟けば、松の枝に立つ黒犬が首を横に振って否定した。そりゃあ、あなたほど判りやすくはないけれど。

「大丈夫よ弾正」

「何がかね」

「猫より犬より鳥の方が好きだから」

 安心してねと笑えば、彼はわたしにはよく判る(うちの黒犬にしてみればごく微細な)ほどに目を開き、それから少し不満そうな声で、こう呟く。

「君はからすも好む、と?」

 梟が一番好きなのだと言わなければ判らないかと口にして、彼の満足そうな(うちの黒犬が言うには大して変わったようには見えない)顔を見るのは、このすぐ後。

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私も猫より犬派ですが鳥も好きです。
梟より鷹とか鷲の方が好きですがね。

2011/12/13(Tue) 12:15  コメント(0)

◆名前(BASARA) 

※主観は風来坊

 かの爆弾狂と軽口を交わす姿を見たのが三度。伝説の忍と京の祭りを堪能する姿を見たのが一度。声をかけたのが初めて。
「あのさお嬢さん、名前聞いてもいい?」
 一通り自分が何者なのか説明すれば彼女は知っていたらしく、前田の風来坊ねと小さく笑った。団子屋の軒先から大通りに向けた足をぶらぶらと揺らしてみたらし団子を咀嚼する姿は、町娘のそれとなんらかわりない。
 けれど。
「忘れたわ」
 特別複雑な感情はこもらないその声は、今日は晴天だとでも告げるような軽さだった。
「ないわけじゃあないのよ。でもあんまりにも呼ばれないものだから。嫌ねぇ、歳かしら」
「ま、またまたそんな……見た感じ俺よりずいぶん、」
 若いじゃないかと言いかけた口の前に、団子の串の先端が向けられる。
「女の歳を詮索するのは無粋よ?」
 にこりと優艶に笑んだ顔に嘘は見えない。慌てて頷けば、子供のように無邪気な笑みで頭を撫でられたから、女の人ってすごいと普通に思った。

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名前が思い付かなかったので忘れたことにしました(笑)
松永さんから君って呼ばれることしか考えてません。
魔王からは梟の、とか木菟とかで良いかな、渾名好きだし←えっ
風来坊は姫さん呼びで。

2011/12/12(Mon) 12:52  コメント(0)

◆夕飯は粕汁になりました(海賊) 

※連載「ミドリ」夢主

「お鍋の季節ですねぇ」
「お、いいこと言うじゃねェか」
「……二人とも、何かを期待するような目でこっちを見んのはやめてくれやせんか」
「期待してるからな、実際」
「ですね」
「前々から言いたかったんですが、おれがメシ作ってるわけじゃないんですぜ」
「でも給仕長甘いですから」
「料理人とは違って頼めば大抵叶えてくれるしな」
「給仕長様々です」
「そういうわけだ、オウル」
(二人揃ってなんでこう……)
「「今夜のメニューは」」
「判りやした。頼んできやす」
「流石、話が判りますね」
「……副船長に」
「え」
「何でそこでベンなんだよ」
「進路を夏島にしてもらうだけでさあ」
「……シャンクス、何かしたんですか」
「……お前こそ」
「……給仕長がわがまま聞いてくれないなんて前代未聞ですよ」
「……俺は何もしてね……あ」
「何したんですか可及的速やかに謝ってくださいほら早く」
「待て待て待て待て! お前だって共犯だ!」
「何がですか」
「オウルのボトル勝手に開けたろ」
「ああ……開けましたけど、空けたのは八割あなたですよ」
「7:3……いや6:4ぐらいだろ。ペースかなり違ったし」
「……そうですかい。やっぱりお二人だったんですなあ……」
「給仕長……顔が、ひきつってますよ」
「ベーン! ちょっと来い、いや来てくれ頼むから!」
「またなんかやらかしたのか……、おい、どうしたオウル」
「……ありゃあ北の海の限定品でしてなあ……二十年ぶりに市場に出たもののどっかの成金が買い占めやがったからわざわざ掻っ払いに行った代物だったんでい……」
「お前去年失踪してたのはそのためか」
「副船長……っおれあどうしたらいいんですかい……!?」
「どうもこうも、また奪いに行けばいいだけじゃないですか? 海賊なんですし」
「おま……過激になったな」
「郷に従ってるだけですよ。それで、今夜は何鍋になるんですか?」

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空気読まないのもここまでいくと最強レベル。
お鍋良いですよね(*´ω`*)←ちょ
給仕長は年齢の割に感情的だと楽しいです、主に私が。

2011/12/09(Fri) 16:57  コメント(0)

◆もしもシリーズ(TOX) 

※名前固定でジュードの姉設定
※ジュードくん出ないけど結構BL(アルジュでウィンジュ)
※もしもウィンガルとアルヴィン(と姉)が腐れ縁だったら

「ジェーン居るかー? 俺夕飯いらねえってジュードくんに……、ウィンガルなんでお前ここに居んだよ」
「なんだ貴様か。何の用だ豆腐め」
「豆腐言うな鳥野郎」
「鳥言うな絹ごし」
「あたしに言わせりゃどっちもどっちだけど」
「「お前は黙れ」」
「はいはい。で? 外出てくって話だっけ」
「そのまま帰ってくるな屑め」
「うっせえよ! つーか何でお前居るんだよ。いやカン・バルクだけどね! ここカン・バルクの宿屋だけどね!」
「言われてないのにつっこんだね。説明厨乙」
「天性のツッコミだからな」
「ウィンガルは魔性のボケだよねぇ」
「魔性はお前の弟だろう」
「禿同。だからって手ぇ出していい理由にはならないけど」
「……次はお前らが留守の隙を突こう」
「無駄だろうね。じいさん中々鋭いし」
「え、ちょ、展開が読めねえんだけど!?」
「潜入したら捕まっただけだ」
「ジュードにラブコールしてたから取っ捕まえて事情聴取してたわけ。判ったらもう行っていいよ、うっさいし。ああちゃんとジュードには伝えとくから」
「色々言いたいんだが何からつっこめば良いんだこの場合」
「なになに、ピーにドギャンを突っ込みたいって?」
「違えよ痴女! つーか効果音で言うな!」
「卑猥な解釈する方が悪いと思いまーす。ほらウィンガルなんか意味判らないから首傾げてるし」
「ピー……?」
「ああ、うん、判んなくて良いよウィンガル。おぼろ豆腐になっちゃうから」
「豆腐言うな変態」
「……ジュードに言われたら誉め言葉なのに……」
「おいこら本気でへこむな。そんでウィンガル、お前は無言で同意すんな」
「「事実だから仕方ない」」

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脈絡? そんなもの転泡でダウンさせられてから起き上がってないですよ?←えっ
2ちゃん語満載な口調でも姉はあんまり違和感ないですね。
あ、一部下ネタ含むって書くの忘れてた←おまww

2011/12/07(Wed) 20:05  コメント(0)

◆日常的会話(BASARA) 

「行ってきます」
「待ちたまえ」
「なあに。私が居なくなると寂しいの?」
「君がどこに行こうと勝手だが、風魔には仕事を与えたろう」
「大丈夫よ。行く場所は一緒だから」
「目的は違うのに、かね?」
「違うに決まってるじゃない。伊達の城に潜入するなんて私には無理よ。か弱いんだから」
「風魔から聞いたか、聞き耳でも立てていたか」
「察したの。弾正ったら判りやすいんだもの」
「ほう……?」
「今も。やっぱり心配なんでしょう?」
「君が先方に迷惑をかけないかという心配はあるがね」
「あら。私はあなたほど他人に迷惑かけないわよ」
「私にあれほど迷惑をかけておいてそれを言うのかね」
「弾正はいいの。他人じゃないもの」
「屁理屈だな」
「屁は余計よ」
「切りがつかんな……早々に行ってきたまえ」
「ありがとう。美味しいお野菜貰ってくるわね」

-----

潜入はしないけど強奪はするという(笑)
この夢主さんは戦闘能力皆無なので小十郎に首根っこ引っ掴まれるんだと思います。
それを小太郎がわたわたしながら奪い返すっていうね。
小太郎はかわいすぎてかわいそうな目に合わせたくなる←ちょwwww

2011/11/28(Mon) 20:30  コメント(0)

◆今夜のおかずは熱帯魚(BASARA) 

「君、何だねこれは」
「何って、お土産じゃない」
「私は内容について聞いているのだが」
「ああ、これ? 綺麗でしょう? わたしが釣ってきたのよ」
「今回はどこまで行ってきた?」
「薩摩」
「ほう」
「……の、少ぅし南まで」
「ほう……?」
「や、ちょっと。弾正、痛いわ、やめて」
「君がどこへ行こうと構わないが、風魔を連れての遠出は国内までにしろと言わなかったかね?」
「だって飽きたんだもの。それと風魔は連れていったんじゃなくって、ついてきたの」
「風魔、本当かね」
「……」
「風魔ったら、心配性なんだから」
「…………」
「君が危なっかしいからだ」
「そうかしら」
「どうせこれを釣るときも風魔の世話になったのだろう」
「失礼ね。ちょっと餌をつけてもらって、ちょっと遠くに投げてもらって、ちょっと待っててもらって、ちょっと引き上げてもらったくらいよ」
「……君は何をしたのかさっぱりだが」
「網で最後に掬ったわ」
「良いとこ取りか」
「そうね」
「素直なのは君の美点だな」
「料理の腕も、でしょう? そうそう風魔、残りのお土産も運んでくれた?」
「…………」
「ありがとう。それじゃあ捌きましょうか」
「……まさかとは思っていたが、これを食すのかね」
「嫌なら食べなくっても良いわよ? 煮付けにすると美味しいんだから。ねぇ風魔」
「…………」
「ほう……よほど美味だったとみえる」
「どう? 食べる?」
「頂こう」

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戦国グルメリポーター松永、というフレーズが不意に浮かんで書いたもののオチが行方不明という結果。
この上なくカラフルな魚の煮付けを食べる松永さんはシュールだと思います。

2011/11/23(Wed) 17:29  コメント(0)

◆I'm home(BASARA) 

 弾正、ねえ弾正。聞こえている? 聞いている?

 ぴいぴいと耳障りに鳴く小鳥のように、その女は酷く喧しかった。こちらの問い掛けには基本的に答えないくせに、自分の問い掛けには答えぬと怒るような。

「でもあなたは、そんなわたしが好きでしょう?」

「君は、自意識過剰だな」

「そんなわたしが好きなくせに」

「相変わらずだ」

「一月かそこらで変わるはずもないじゃない」

 おかしなひとね、と女は笑う。君ほどでは、と私も笑う。軽く開いた左手を首の高さまで上げれば、嬉しそうに笑みながら女はその手に頬を寄せた。焼け爛れた皮膚の感触は心地好いものではないだろうに、心底愛しそうな顔をする女に向ける気持ちは愛か、欲か。

「ただいま、弾正」

 はにかむように笑ってそう紡ぐ言の葉に慈しみにも似た思いを抱いてしまったのは、気の所為だったと思いたい。

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構想中のBASARA夢。
宴の所為で松永さん熱が再臨してます。
この人もチートになりそうだなぁ…松永さんがチートだから←ちょ
このあと松永さんが「よく帰った」って言いながら笑ってくれたら焔界状態で指パッチンされても良い。

2011/11/22(Tue) 22:03  コメント(0)

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