貸出本

□はっぴーえんどふぉーえばー
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※ガゼルがいろいろ酷い※
※自傷行為有り※
※エイリア事件後のお話※
※一応グラ→→(←)ガゼ※




















ジェネシス計画が終わり、俺はバーンとガゼルに会いに行くことになった
場所は病院だった。
バーンもガゼルもエイリア石の影響が出たらしい
聞いたときは崖から落とされたような気分だった

長い廊下をスリッパでぱたぱたと歩く
緊張する。
俺は少なからず二人には酷いことをしたのには変わりはない
許してもらえるだろうか。
怪我の具合は大丈夫だろうか。
会ったら謝ろう。
許してもらえなくても。
それでも、謝らなくちゃ。
ごめんねって

そんなことを思っていると南雲晴矢と書いてある病室を見つけた

ふう、と息を吐いた。
震える手でドアの取手を掴んだ。



……………掴んだ。

掴んだんだけど中々開けられない。
怖い、どうしよう。
否定されるに決まっている。俺のことなんか、

「グランか…?」

中からバーンの声が聞こえた
びくりと肩が震えた

「?何してんだよ入ったらどうだ?」

「い、良いの?」

「何言ってんだ入れよ」

バーンは笑っていた
そのお陰で結構すんなりと入れた

「久し振りだな、グラン」

「う、ん…」

「何しおらしくなってんだよアンタらしくねぇな」

バーンはまた笑った
笑いかけてくれた事が嬉しかった。
自然に俺も笑うとバーンがまた笑った

俺はすう、と息を吸い。そして、

「ごめんね、晴矢。」

謝った。
するとバーンはぽかん、とした顔をした
どちらに驚いたのだろうかは分からない
俺が人名で呼んだことか謝ったことか。それは定かではなかった
只、晴矢は照れ臭そうな顔をして今更なんだよ、と言われた
俺は苦笑いした
ふと疑問に思ったことを口にしてみた

「ところでガゼルは?」

すると晴矢の顔色が変わったのが分かった

「アイツ、に会わない方が良い。特にアンタは…」

「……何で?」

何となく、想像は出来ていたが晴矢に聞いてみた

「アンタのこと、その…多分恨んでるから」

「そ……だよね、」

晴矢は顔を伏せたがベッドのシーツを握って意を決したように顔を上げた

「アイツ、最近おかしいらしいんだ。手首切ったりしてるらしくて、私なんか生きる価値がもう無いとか行ってるらしい…」

「!?そんなの自傷行為じゃないか…っどうして!?」

「お、俺も最近会ってなくて分かんなくて…っ」

「最近…?」

「前までは、俺が会いに行ったりアイツが来たりして話したりしたんだけど丁度二週間前にパッタリ来なくなって…それからアイツ変になったらしくて…っ俺…………っ」

晴矢は辛いのか泣き出してしまった
そんな晴矢を俺は抱き寄せて頭を撫でた
辛いに決まっている。今までずっと一緒に居た風介がおかしくなってしまったのだから。

「ふ、すけ…のっこ、と…俺っ俺がっ…ちゃんと見とけば良かった…!!」

「落ち着いて晴矢、晴矢は何も悪くないよ…、ね?」

「っ…でも…」

「…………………俺、風介に会いに行ってくるよ」

「っ止めとけって!!」

俺は晴矢から離れてにこりと微笑んで晴矢の病室から出ていった
晴矢の止める声も聞かずに

廊下を少し歩くと個室が一つありそこには涼野風介と書いてあった
今度は震えることもなくドアを開けた

中をぱっと見ると風介はベッドで寝ていることが分かった
俺は風介が寝ているベッドまで足を運ぶと白い風介の手首には今まで切っていただろう痕があった
他にも腕を掻きむしったような痕があったりして思わず顔を逸らしてしまった
一番酷かったのは足首だった

「風介…なんで…晴矢が悲しんでたよ…、」

寝ている風介に話し掛けてみた
返事なんか返ってくるわけが無かった
それでも話し掛けた
風介の事は、好きだった。
恋愛対象として。今もそうだ。
晴矢だって好きなはずだ

俺は風介の前髪を触った
すると風介がゆっくりと目を開けた

「っ!!貴様っ何故此処に!!?」

風介はガバッと体を起こして俺の手を弾き飛ばすと手首が痛んだのか顔を歪ませた

「っ風す「その名で呼ぶな!!」…ごめん……」

風介はずっと俺を睨んでいた
俺は拳をぎゅっと握りしめ、風介の隙をついて近寄り風介を抱き締めた

「晴矢が、心配してたよ…」

「っ…私に触れるな!!!」

ドンッと押されよろめいた僕達は風介はベッドの下辺りに落ち、俺はそれの少し離れたところで尻餅をついてしまっていた

俺は体を起こすと風介が必死にベッドにしがみついているのが見えた

「風…介…?」

「ーっ」

まさか風介…

「君、脚が…「言うな!!!もう聞きたくない!!!…………止めてくれ…」………」

風介はペタリと脚を床につけて耳を塞いで泣きだした
今日は大事な友達を二人も泣かせてしまった
俺は風介の近くへ寄った
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