main -狗-
□夢と現実の境目
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結局、総帥からの休みの許可は得られず、耳と尻尾の対処に追われる。
とりあえず帽子を深く被り、服の中に尻尾を押し込んでみた。
『いける、か…?』
幸いにも、今着ている軍服はアキラにとっては少し大きめのものだ。
これでも、城の中では一番小さいサイズなのだが、着てみると、まだまだ余裕があるのが現状だ。
「安心しろ。何も知らないそこらの人達から見れば、よっぽどの事がない限り、絶対にバレはしないだろう」
「準備が出来たのであれば、さっさと今日の予定を報告しろ」
『あ…、申し訳ありません…今すぐ報告を聞いて参ります…っ』
軽く一礼をして、総帥が居られる執務室を後にした。
「全く…、可愛い奴だ」