main -狗-

□ただシキが好きなだけ
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“どうしてだろう…ー”




薄暗い部屋の天井を見上げながら呟いた。


******


あの男の事を考えると、何の意味もなく心が苦しくなる。

この狭い空間にいる時間が重なれば重なる程苦しくなって…。

でも、体を重ねてしまえば、その苦しみは熱となって消えて行く。

だが、その男が部屋を出てしまえば、再び苦しくなる。

それは言葉で表せるようなものではない。


とにかく、苦しくて…、



苦しくて………ー。



はっきりと言うと、自分でもこれが何なのかは分からない。

でも、何となく分かる気がする。

たぶん、この苦しさは、体がおかしいわけではないのだと思う。

自分の中にある感情の一部が働いているのだと……。


窓を見ればいつも雨。


濁った雲や空気が、この苦しさをより一層悪化させている。

早くこの苦しさから解放されたい。

あの男が来れば、終わる事だ。



早く…。


早く……ー。




END

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