仁王雅治

□赤く熟れた実
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  れた

 




………抗えない、血の縛り。
太陽は、苦手…だ。



「……いい加減起きなさい仁王くん!」

万事屋の一日は、大抵従業員の一人である柳生比呂士のけたたましい怒鳴り声から始まる。

「ふあぁ………休日くらい静かに寝かせんしゃい、柳生」
「その言葉、毎日聞いてる気がするのは私だけでしょうか?」
「良いじゃん柳生。もう少し寝かせろぃ。どーせ今日も客なんか来ねーよ」
「丸井くん!貴方もですね、仁王くんがだらけてるからとそれに流されちゃ駄目なんですよ!!」

眠気覚ましにはぴったりな柳生の説教を2人は軽く聞き流しながら、ドンドン、と玄関の引き戸を叩く音に気付くと、この場から逃げれる…と言ったように、一目散に玄関へと駆けて行く。

「あ、待ちなさい!!」

柳生の制止の声も無視して勢い良く引き戸を開けたため、その先に居た人物に2人は思いっきり体当たりすることになった。
しかしその人物は、2人相手にびくともすることなく、何事も無かったように言葉を発した。

「……相変わらずだな、お前達は」



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