仁王雅治

□愛の魔術師
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術師



相変わらず、俺のデータを持っても何を考えているか分からない奴だ。

「よぉ、参謀」
「………こんな時間に何だ?」

先程部活を終えて帰宅したばかりだと言うのに。
もしかして、つけて来たのか?

「お前さん、今日が何の日だか分かっとるじゃろ?もん凄い大荷物抱えて帰ってんじゃからの」
「……ああ。しかし、俺の誕生日とお前が家を訪ねて来ることに何か関係性はあるか?」
「チームメイトじゃろう。おめでとう伝えに来たら変か?」

それなら、部活のときにでも伝えれば良かっただろう。
と言うか、弦一郎を筆頭に祝いの言葉は仁王からも受け取った筈だ。

「あら蓮二、お友達?」
「あ……はい!仁王雅治と申します。いつも蓮二くんにはお世話になってます!」
「いえいえ、こちらこそ蓮二と仲良くしてもらってありがとうねぇ」

突然現れた母の姿に、心なしか仁王は緊張しているようだ。
いつもの妙な訛りも消え、しっかりと挨拶をする仁王の姿に少し笑いそうになった。
いつもは…何があっても動じない。飄々とした姿しか見せない奴だから。



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