=兎の夢(戦国BASARA)=
□空と雲の境目 閑話
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今回も楽な戦だよ、まったく。
旦那はかなり張り切ってるみたいだし、
これじゃ俺様の出番なんて無いよなぁ。
「…ふぅ。ここらの敵はもう終わりかねぇ」
ザシュッと音をたてて上がる血飛沫。
別にいつものコトだから気にするまでもない。
大型手裏剣についた血をはらって、俺様は空を見上げた。
「あ〜らら。こりゃ、一雨きそうかな…って、あれ?」
黒い雲が向こうの空から見えた。
それに眉をひそめると、なにやら遠くに人のようなものが見えた。
忍でも上がれないような、高さから。
人らしき生物が落ちてくるのが。
「…な〜んか、嫌な予感がすんだよなぁ」
そう言って、ため息をつきながら頭を掻く。
それでも、俺様は忍。
武田・真田に敵対するものかを見極めなければならない。
そして敵対するものだったら…。
「行きますか」
『死』、あるのみ。
俺様は大鳥を呼び寄せ、空から降ってくるものの落下地点と予測される森へと向かった。
*