=兎の夢(戦国BASARA)=
□空と雲の境目 4
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「わしの国の民を救ってくれたお主を、見捨てるわしではない。
帰る方法が見つかるまで、ココにいるとよい」
「…信玄様…」
こんなに切実に感謝されるのって、ここまで嬉しいんだ。
私はただ、一人の女の子を救っただけなのに。
その一人の女の子の恩を自分の恩と考え、私に優しくしてくれているんだ。
まさに、民を想い、人を想う御方。
「信玄様…」
「なんじゃ?」
「これからよろしくお願いします!!」
メッチャファンになりましたああああ!!!!!!!!
信玄様とのお話が終わり、私は佐助に部屋を案内されている。
佐助は“よかったね〜”とニコニコ笑っていた。
「まぁ、大将だから追い出すような真似はしないと思っていたけどね」
「……」
「…?千穂ちゃん、どうしたの?」
「……」
「…もしかしてさっきのこと、まだ怒ってる?」
佐助が話しかけてきているのに、ツーンと無視している私。
佐助は首をかしげて、そう聞いてきた。
私はその問いにジロッとにらみつける。
「あったりまえじゃん!
さっきの破廉恥な行為の謝罪をまだ貰ってないんだけど!?」
「えーまだそれ言ってるの?
さっきも言ったけど、あの白い布を見せてきたのは千穂ちゃんだって…!」
「破廉恥ィィィィィィィィ!!!」
あぁもう、本気で殴り飛ばしてやりたい!!!!
こうして私の甲斐での生活が幕を開けた。
まだ幸村とちゃんと話してないっ!!;
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