=兎の夢(戦国BASARA)=

□空と雲の境目 1
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『つまりね、千穂ちゃん。
 君はあの現代の世界では死んじゃったわけだよね?』

「それは分かってるよ。
 可愛いにゃんこを助けて事故った覚えはあるし」



とにかく男の子も状況を説明したいようなので、仕方なく私はその場に座る。

ホッと安心したような彼も、私の前に座ってこう話を切り出した。



『実を言うとね・・・』

「・・・・何?早く話してよ」

『・・・コレ聞いて、怒んない?』

「・・・・内容による」

『じゃあ駄目だもん!ボク絶対怒られるもん!!ヤダヤダ!怒られたくないよおおおおおお!!!』



そう言って両手で目を覆う男の子。


なんだコイツ!?
見た目は私と同じくらいなのに中身は子供だなオイ!

「もん」とかつけていいのは可愛い女の子だけなんだよコノヤロー!!!



仕方ないから“怒らない”といって、何とかコイツをなだめ、さっさと先を話させようとする。


男はじっと蒼い瞳でコチラを見つめながらポツリとこう言った。



『・・・・実は、君を死なせちゃったの、ボクです・・・・』

「・・・・・・・・・は?」

『あの時、君は死ぬはずじゃなかったの。
 でも、ボクがちょっと色々間違っちゃって、君を死なせちゃったの』

「・・・・・・」

『ごめんね♪』



・・・・・。

テヘ☆と舌をだしておどける男に、私は黙り込む。

そしてゆらりと立ち上がった。



『・・・怒ってる?』

「・・・・・んーん。怒ってないよ?」

『笑顔がものすごく怖いのですが・・・・』

「・・・・・・怒ってないよ。怒ってないけど・・・・・・・


ボッコボッコにしてやんよ♪」



次の瞬間、私はこの馬鹿男に飛び掛った。



『ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』


*
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