短編集
□照れ屋な彼
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「仕事終わったら、店の裏で待ってろ!」
そう言われたのは、ちょうど今日オーダーを間違えてしまった時だった。
お説教という単語が頭の中をぐるぐる回る。
アカリは壁に凭れながらため息を溢した。
「やだなぁ…」
「何が?」
ふと聞こえた声に、アカリは飛び上がりそうになった。
横を向けば眉間に皺を寄せたポッドがこちらを見ている。
聞かれたかも、と慌ててアカリは首を横に振った。
「な、何でもないの!独り言だから!」
「ふーん?ならいいけどよ…」
いつになく考え込んでいるようなポッドの顔に、アカリは変な感じがした。
「(ポッド君って、こんな顔もするんだー…)」