短編集
□照れ屋な彼
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「一生懸命やろうとしてるのは、俺も見ててわかる。
出来ててもやる気がないより、全然いいと思う」
「あ…ありがとう…?」
アカリが不思議に思いながらお礼を言うと、ポッドは更に赤くなった。
ぐしゃぐしゃと顔と同じくらい赤い髪の毛をかき回す。
「あーもう!だから慣れてねぇんだよっこういうのはー!」
急に叫んだ彼に、アカリは目を丸くした。
さっきまで真面目な顔で説教をしていたとは到底思えない。
どうすればいいのか分からず、結局アカリは彼を見ていることしかできなかった。
「アカリっ!!」
「は―――っ!?」
返事をしようとした口はあっさり塞がれていて。
アカリの目に映るのは、どアップの彼の真っ赤な顔。