おまけ。
□祐の妄想(?) 忍はこんな受け。
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「今ヒマなんだろ?」
「忙しい。すっごい忙しい。さっきケータイに呼び出しが入ってたんだよ」
「松野は誰かを抱く時、邪魔されたくないからケータイを持たない主義だろ」
なんでそんな事を知ってるのか聞きたかった。だが、ファンの中では有名な話だ。
「……ファンクラブ入ってんのかよ」
まさかとは思い、忍は尋ねてみた。
「お前が好きだからな」
マジで入ってんのかよ。今までファンミーティングに顔出した事ないだろ。見たことないから知らなかっただろ。
「いい加減にお前、諦めろよ……」
「それはお前に好かれることをか?」
中野は後ろから忍の腰に腕を通して引き寄せ、抱き締めた。
「それとも、お前を俺のモノにすることをか?」
「離せ!」
忍はなんとか腹部に回っている腕を離そうとする。しかし、体格も違い力の差もある相手に敵う訳がない。
「好きだ、松野」
「耳元で、喋んなっ」
囁くように言われ、忍は思わず首筋に手を当てる。
「俺も、もう高三だ」
「さっさと卒業しろよ、っ」
中野は忍の指の隙間から、首筋に唇を当てた。その際音を出したのはわざとか、偶然か……。
どちらにしても、忍の抵抗を弱めるには効果があった。
「卒業前に、良いだろ?」
「他を当たれっ」
中野は基本、人気のある部類に入ると思う。少なくとも、忍のようなタチを相手にしないといけない事はないだろう。
「分かれ。俺は、松野が良いんだ。松野だから、抱きたいんだ」
「俺は、抱かれる気はない!」
なんで攻めの俺が、抱かれないといけないんだ!ネコじゃねぇんだよ。
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