腐男子観察日記

□友達の関係性
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新学期が始まった。

宿題も無事に全部提出する事が出来て、学校の雰囲気は文化祭に向けて盛り上がっている。しかし、夏祭りで別れて学校で再会して以来、忍の様子が変だった。





「あ、忍……。おはよ…」

「……おはよ」

祐が起きると松野はもう制服に身を包んでいて、今すぐ出られる状態だ。それだけだと今までと変わらないけれど、それ以降の行動は確実に変わった点だと思う。表情は変わらないけれど、他は違う。

「……先、行ってるな。遅刻すんなよ」

「あ、うん……。いってらっしゃい。…後でね」

祐が、待ってくれと止める間もなく松野は先に学校へと行く。

いつもなら、松野が起きて食事の準備が整ったら祐を起こしてくれて、朝ごはんも一緒に食べてくれる。どんなに祐のせいで仕度が遅くなっても決して先に学校に行ったりはしない。祐が遅刻するなら自分も一緒に、という雰囲気だった。とは言え、今まで一度も松野のお陰で遅刻した事は無いけれど。

でも最近は急かしてくれる人がいないせいか、遅刻ギリギリになる事がよくある。

「……一人のご飯は美味しくないよ、忍」

祐は、松野が用意してくれた朝ごはんを立ったまま口に入れる。今までならこの態度も注意してくれていたが、夏休みが終わってからは注意してくれる人は居なくなった。

「……仕度、しなきゃな…」

祐はノロノロと仕度を開始する。学校に行っても、松野の様子は相変わらずなので、激しく行きたいという気分にもならず、結局また遅刻ギリギリになるような予感がした。


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