ホンマに好きやねん

□08 愉しい事
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「あぁ〜……適当な事言わんとけば良かったわ……」
「ん?どないしたん陽菜?」
「いや…なんでもない」



私、杉田陽菜は彼氏の志摩廉造とプールに来ています。


理由?


聞かんといて。
ほんま悲しいことやねん。



2週間じゃ、足りんかったな………
1ヶ月とか言うとけば良かった………



「って、女の子ばっか見とんなや!!!!」
私は、思いっきり。

そりゃあもう、全身全霊込めて。



廉造の頭をぶん殴ってやった。




「ぃったぁぁぁぁぁあぁ!!!!!?なにすんの陽菜!!!!!」
「女の子ばっか見てるしや!!!」



つーかここ………


「なぁ、廉造」
「ん?どないしたん?」
「ここ……魍魎多ない?」


廉造は、まわりをキョロキョロ見渡してうなずいた。




「ホンマやなぁ……なんやここ…」


まぁ、外やからっちゅう事もあるけど……


なんかもっと特別な………


そう、悪魔がいるような………



ん?



「もしかしてここ………悪魔おるとか?下級悪魔」
「は?悪魔っ!!?えらいこっちゃで!!!はよ、探さな!!!」
「って言うても、どこにおるかわからんわ……て、廉造!!!!あれ!!!!!」



私が指差した先に、おった。




悪魔が。





「なっ!!なんやあれ!!!頭3つ着いてんで!!!!」
「ケルベロス………」
「蹴る……なんて?」
「ケルベロス!!」
「蹴るべろす?なんやねんそれ」
「悪魔や。見りゃわかるやろ。それより、廉造使い魔おる?……ってアンタに聞いても無駄やった……」





でも……なんでこんな所にケルベロスが………




「廉造、客みんな避難させろ。んで柔兄達呼んでこい」
「陽菜はどないすんねん!!」
「私には"アイニ"がおるから大丈夫や」
「なんやよう分からんけど、悪魔おるって言えばええんやな?」
「ちゃんと言いや!!!ほんで柔兄達に連絡しいや!!」
「お母か!!」




さて………


とりあえず、今は事態の沈静化………


下手に刺激したら、あかんしな……


ケルベロスは確か………


歌!!!




「あっあの!!!すんません!!なんか曲流してもらえますか?」
「曲?なんのや」
「なんでもええですから!!!!早く!!!」



これでケルベロスは眠るはず……



これで、時間稼ぎになったらええんやけど………




「はぁはぁっ……陽菜っ!!言うてきたで」
「柔兄はっ!?」
「今来るそうや」



さて……
もう、これは時間の問題やな………




「ケルベロス…眠ってはるけど………どないするん?」
「柔兄達が来るまで、私がどうにかする」
「どうにかする言うたって………」




ーピーンポーンパーンポーンー

『お客様にご連絡いたします。このプールにて、危険物が見つかったとのご報告があいましたので、ただちにプールから上がり、外へ避難して下さい』



「危険物て……まぁ、確かに危険物やんな」





プールから全く人がいなくなった所で、私は使い魔を召喚した。




「"汝、我に従え……熱き血汐に導かれし者よ…我に力を……"」



「久しぶりだな。陽菜」
「アイニ。そんな事はええ。早くあの、ケルベロスをなんとかしてくれや」
「相変わらず冷たいな…陽菜は……」


と、いいつつアイニはケルベロスの元へ。


「な…なんやねんあれ」
「あぁ…アイニ?あいつは私の使い魔。廉造には一生縁のない話」
「失礼なこといいよるなぁ……俺かて、いつかは使い魔の一匹や二匹……」



廉造が何か言ってる側に私は、ケルベロスの側に。


「陽菜!?なにしてるん!?」
「これくらいなら、私でもなんとかって……うわっ!!」
「陽菜!?」


私はケルベロスに飛ばされた。




「陽菜!!廉造!!大丈夫やったか!!?」
「柔兄。アイニが今どうにかしてくれとるから、全然余裕や」
「いやいや!!今、陽菜飛ばされてたやん!!!」
「そんなん、痛くも痒くもないわ」
「俺ら来る意味あったんか?」
「もしもの事を考えて」



すると、アイニが私の側に寄ってきてこう言った。





「あの、ケルベロス。なんだ?アイツ……凄く凶暴化してるぞ?」
「………ほれ言うたやろ?もしもの事…こうゆう事や柔兄」
「あっさり言うなや。ケルベロスの凶暴化ってどないなっとんねん」
「そんなん私に聞かれても知らんわ。私が何でも知っとる思うな」

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