ホンマに好きやねん

□02 トラウマになった
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「え〜今回は、2年の復習や!」

2年のかいな………




「お前らのニガテな電流のやつやるからな〜」




電流……

静電気か……




「まずは直列回路と並列回路の電流、電圧のはかり方」


ーーバチッーー


あかん…先生と目ぇ合ってもうた………
嫌な予感すんで…

私の予感はよぉ当たんねん…自覚済みや





「ほな、このクラスの幼なじみ組に実験台になってもらおか」



ほら、当たってもーた。




「俺は、いやや。先生。志摩と杉田だけにしてください」

「僕もちょっと………」



「なんや、しゃぁないな…。ほな志摩と杉田、前に出てこい」


先生は、すこし浮かない顔をして言った。




めんどい………
なんで私がこんな目に……



「よし、手ぇ繋げ」




「「はぁああぁぁ!!!?」」

同時だった。



「はぁ!?やないわ。直列回路作るんや。ほれ手ぇつなげ」




渋々、手を繋いだ。




「ええか、これが直列回路や」


いや、見たら分かるやろ……


「ここや、ここ。ここに、電流計や電圧計を入れるんや」


いや、そんなん言わんでも分かっとるわ。



「今、ここには2人の愛が流れとる」




いや、そんなん言わんでも分かっとるわ。











はい?










「ちょい待てや。何が愛やねん」

「え?愛やないの!?俺は陽菜からの愛が、手からひしひしと伝わってくるで〜」

「黙れ変態」




クラスのみんなの笑いが収まった所で、実験は再開された。




「ええか〜?先生が、電流計や電圧計やとして…」



先生は、廉造と私の手を割って、手をつないだ。



「これで、2人の愛の程が分かるわけや!!」




「せやから、愛なんて最初から無いわ」

「陽菜ひどいわっ」





「お前ら、こないに愛し合っとんたんか!!?」




「せやから、最初から愛し合ってませんし、愛してもいません。むしろうざいです」

「陽菜も昔はニコニコ笑って、可愛らしい子やったのになぁ」

「なんで、急にオカン口調やねん」

「いつから、こないな無愛想な子になったんや!!オカンはそないな子に育てた覚えはありません!!」

「あんたに育てられた覚えはないわ!!」




なんで、こんな奴と一番の幼なじみなんかが



不思議で仕方ないわ…。

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