Short story

□See you again
1ページ/2ページ


3月―――

司は卒業、俺は3年生。

司が卒業するってコトは
そらそらも、書記もいなくなる。
ぬいぬいも去年卒業した。

司は俺の大事な彼女。
司がいるとあたたかくて
優しい気持ちになる。
会えただけで目を閉じるクセがでちゃう。
抱きしめたらそのぬくもりを
手放したくなくなる。

司は卒業したらアメリカに行く。
本当はちょっと留年しないかなー?
とか思った。
そうしたら俺も一緒に
アメリカに行けるから。

でも入学当初からの主席の座を一度も
明け渡すことなく卒業することになった。
最近は渡米の準備もあってか
なかなか会えない。
正直、そろそろつらい。

「ぬー…」
「どうしたのさ、翼」

教室のドアからひょっこり梓が出てきた。
すると俺の表情を見て分かったのか
梓も少し暗い表情になった。
でもいきなり何かひらめいた顔をして、

「翼、これから街にいくよ!」
「ぬっ、ぬわわ〜!ちょ、梓離せ〜」

こういう時の梓には到底敵わない。
少し抵抗したけど結局ズルズル
引き摺られて街へ出てきた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ