桜 雷 

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毎年
名無しさんは決まった日に
丸2日家を空けることがあった











それを初めて問うたとき


太陽を浴びにいってたと
言っていた











そして最後に…









ホントは先生の命日なんです、
と。














星海坊主はその時




共に過ごしてきた時間で
名無しさんは自分たちの中に
完全に溶け込んでいる
感じがしていたのに




一気に遠くなった気がした














名無しさんは誰にも言わずに
ひとりで悲しみや苦しみと
戦っているのだから











星「名無しさん…」



「でも…
苦しいばかりじゃないし



おじさん、
私のどこが痛いのか
知ろうとしてくれてる…




それは
ありがたく
思えることだから…」












そう言った名無しさんの、




年に似合わない
大人びた表情だけが







星海坊主の頭には






深く
深く焼きついた





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