桜 雷 

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――――早朝









晋「じゃあ俺ァいくわ」




「うん」







刀を腰に差し
振り返った高杉は

昨日とはまた違う
雰囲気を帯びていた






これは鬼兵隊の高杉晋助











晋「寂しいのかァ?」



そう言って
名無しさんの頭を撫でると


名無しさんは
消え入りそうな表情を向けた








「晋助、

またみんなで…」








そこまで言うと
首を勢いよく横に振って


「ううん。
なんでもないや!


また絶対」



そう言って笑った









晋「あァ。無理すんなよ」





――――ギュッ




高杉がキツく抱きしめると
名無しさんは小さな声で

晋助…辛いねと涙を流して
キツく抱きついた












高杉の表情は
今まででは考えられないほど
穏やかな感じがした







晋「うるせえ。
名無しさんのくせに」




そう言って
ぬくもりを胸に包んだ




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