桜 雷 

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威「名無しさん?
まだ怒ってんの?」








さっきから
部屋の隅で小さくなって
座ったまま動きもしない
名無しさんを見かねて
神威は声をかけた










「神威…


どうして
地球に行こうなんて
言い出したの?」





名無しさんは
たまにしか見せない
寂しそうな目を向ける






威「気まぐれだヨ、


嫌?」






相変わらず
ニコニコ笑ったままの神威









そんな神威が
胡座をかいて座っている
ベッドの横に名無しさんは
腰をおろして


頭を神威の肩に預けた










神威は驚いて
自然と目が開いた










「…久しぶり、すぎてね


変わっちゃった地球が…


怖いんだ…ちょっとだけ」






そう呟いて



今にも
消えそうに笑った名無しさんを
神威は静かに抱きしめた





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