main<長編>
□傷跡<カコ>2
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雨はその日の夕方まで降り続いていた。
降りしきる雨の中、傘をさしていない俺の前に、”真撰組”の
近藤勲、土方十四郎、沖田総悟が傘をさして立ている。
しかし、沖田は、銀時と同じように傘をさしていなかった。
絶対零度なんじゃね?と自覚できるほどの冷たい笑み。
今の俺に、この瞳の奥に秘めている冷徹な白夜叉を隠すほどの余裕はない。
銀:『で?何のようかな?税金泥棒の諸君?』
近:「・・っ・・・」
土:「・・近藤さん・・俺から話す」
明らかな動揺を隠せていない”局長”の近藤。
既に、犯罪者を見る目つきでこちらを見ている”副長”の土方。
拳を握り締め、俯いている”一番隊隊長”沖田。
土:「っおい!何笑ってやがる!お前白夜叉だな!?
この大量殺人鬼が!のうのうと生きていやっがて!」
何かが吹っ切れたかのように話す土方。
銀:『ふーん。でもさぁ、君たちだって同じなんじゃない?
攘夷浪士を斬って回ってさぁ。どれだけ大儀を背負おうと殺人は殺人なんだよ・・大串くん」
土:「何をほざいてやがる。天下の白夜叉さんよ・・神妙にお縄につきやがれ」